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結局何とかローを宥めて、二人で花火を眺めた。
最初はゆっくりとしたテンポだったけど、途中から次々と打ち上げられて、空が明るい。
「あっ、ハート型！ 可愛い〜！ コラさんだ！」
「あんなことも出来るのか。スゲェな」
ローは綺麗さよりも技術の方に驚いてる。
頭いいやつってみんなこうなの？
「綺麗だねぇ〜」
「…そうだな」
足をぶらぶらと遊ばせながら、呟く。隣ではローが優しく微笑んで花火を眺めていた。
大きい音が苦手だから、弾ける瞬間はちょっとだけ怖いけど、でも綺麗。
一瞬だけ咲いて、すぐに枯れちゃう花。
でもだから綺麗なんだろうな。
こう言うのを無常観というんだろう。ザ・日本って感じ。
そう言えば、世の中には、夜の間だけ咲いて、一晩で枯れちゃう花があるんだっけ。
確か名前は、
「月下美人…だったかな」
「急にどうした」
「いや、ちょっとね。ローって月下美人みたいって思ってさ」
その名前を聞いたことが無いのか、彼は首を傾げる。俺は男だぞ。とでも言いたげに。
まぁ花の名前っぽくないもんね月下美人て。てかあんたは結構な美人さんだよ。
「花の名前だよ。白くて、綺麗なやつ。一年に一回だけ夜に咲いて、そのあと枯れちゃうの」
「俺は一回しか咲けねェってか」
「そうは言ってないけど…、なんか危うい感じが似てるの。あといい匂いするんだって」
私は月下美人を生で見たことがないので、その匂いがどんなに甘美な物かはわかりかねる。
でもすごく強い香りを放つのだと、前に友達が話してくれた。
「俺の匂いがそんなに好きか」
「へ…好きっちゃ好きだけど…うーん、落ち着く匂いかな。横に居たら寝やすい感じ。
スンスン嗅ぎたいかって言われたらそれはちょっと変態みたいだから遠慮するけど」
素直にそう言って見せると、花火に照らされて見えたローの顔は、少しだけ赤く染まって見えた。花火の光のせいかもしれないけど、でも口許を押さえて顔を逸らしているのを見れば、照れてるんだなってすぐわかる。
「それと、花弁食べれるらしいよ。おいしいのかな」
「…食われんのはお前の方だ」
気付けば、ローの顔が首もとに近づいてきていて、首に噛みつかれていた。
「ばっ、か…いた、いっ…」
誰もいないからって、この野郎。
噛み傷と、それから赤い痕が鎖骨のあたりに出来る。
「ごちそうさま」
にやりと笑う、ローの顔。
美人のこの顔は、本当に心臓に悪い。
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弥生(プロフ) - 星蘭さん» ありがとうございますー！ きゅんきゅんしてもらえてめちゃ嬉しいです！ (2021年2月2日 8時) (
レス) id: b916418063 (このIDを非表示/違反報告)
星蘭(プロフ) - めっちゃ面白いです！もうずっと読んでたいくらい！胸きゅんとニヤけが止まりませんでした……。応援してます！ (2021年1月31日 19時) (レス) id: e03eae3599 (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - チョコレートコスモスさん» やったー！ ありがとうございます！ 励みになります…がんばります！！ (2021年1月30日 12時) (レス) id: b916418063 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレートコスモス - イメージの国と花が出てきて設定細かいなって思いました！この作品読んでもっとロー好きになった…というか弥生さんが書くローがめちゃ好き…更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年1月29日 0時) (レス) id: 3dca2c4bf3 (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - 架印�靴気�» 確かに九州は本州から離れてるので遠いですね…小さい頃のことってなかなか覚えてないですよね。些細なことは覚えてたりするのに、不思議です笑 (2021年1月27日 15時) (レス) id: b916418063 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2021年1月18日 0時
