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「ほら、A姉が痛そうにしてるだろ」
「だってよ〜」
サボくんがルフィくんの腕を引いてくれたおかげで、私は未だに機嫌の悪いローの腕の中に閉じ込められた。
ずっと水平に引っ張られてたせいか、少し腕が痺れてしまった。
「はいはい、どーどーどー」
ローの頭をぽふぽふと撫でる。
すると、ちょっとずつ彼の腕の力も抜けていった。
「機嫌治った？」
「…ガキ扱いすんな」
「ふふ、ごめんごめん」
やっと解放されて一息つくと、サボくんに腕を掴まれたままのルフィくんはじろっと私を見つめて頬を膨らませていた。
「ルフィくんも、怒んないで。ほら」
膨らんで風船みたいになった頬をつつくと、なんだかいつもより柔らかく感じて頬が緩んでいく。
「ルフィくん、今日はお祭りでしょ。エースたちと遊びに行ってらっしゃい」
私は、ローの泊まる部屋に置きっぱなしだった鞄から財布を取り出して、樋口さんを一枚渡す。我ながら甘いなと思うけど、可愛いから仕方ない。
「わー！ Aあんがと！ エース、サボ！ 行こう！」
ルフィくんは、渡したお金を大事そうに握りしめ、エースとサボくんを引き連れて楽しそうに玄関の方に掛けて行った。
花火大会は七時からだけど、屋台や出店はもう既に始まっているだろう。河川敷には多分人がたくさん集まってると思う。
くるりとローに振り返って、彼の前にしゃがみ込む。
それから、まだちょっと拗ねてるままの彼に、最後のひと押しに、触れるだけの口づけをそっと落とした。
「そろそろ着替えよっか」
「…おう」
機嫌をなおしたようで、彼は少しだけ優しそうに目元を緩めた。
グラス片付けてくるから先に部屋行ってて、とローに一言告げて、私は急いで空になったグラスを洗い場に片付けに行った。
土間では母さんがまだ作業をしていた。
今日は私が帰ってくるって知った途端にルフィくんが泊まるって聞かなかったらしくて、ルフィくんとサボくんがうちにお泊まりに来るらしい。だからちょっと時間かかってるのかな。
「母さん、着付けするから、髪の毛お願いしていい？」
「あら、もうそんな時間？ わかったわ。これ終わったら行くわね」
「手伝う？」
「いいのよ。すぐ終わるから。先にローくんの着付けしてあげてて」
優しく笑って手を振った母さんに、うん、と大きく頷いて、私は急いで待たせているローの所へ向かった。
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弥生(プロフ) - 星蘭さん» ありがとうございますー！ きゅんきゅんしてもらえてめちゃ嬉しいです！ (2021年2月2日 8時) (
レス) id: b916418063 (このIDを非表示/違反報告)
星蘭(プロフ) - めっちゃ面白いです！もうずっと読んでたいくらい！胸きゅんとニヤけが止まりませんでした……。応援してます！ (2021年1月31日 19時) (レス) id: e03eae3599 (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - チョコレートコスモスさん» やったー！ ありがとうございます！ 励みになります…がんばります！！ (2021年1月30日 12時) (レス) id: b916418063 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレートコスモス - イメージの国と花が出てきて設定細かいなって思いました！この作品読んでもっとロー好きになった…というか弥生さんが書くローがめちゃ好き…更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年1月29日 0時) (レス) id: 3dca2c4bf3 (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - 架印�靴気�» 確かに九州は本州から離れてるので遠いですね…小さい頃のことってなかなか覚えてないですよね。些細なことは覚えてたりするのに、不思議です笑 (2021年1月27日 15時) (レス) id: b916418063 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2021年1月18日 0時
