【ONEPIECE】君により【トラファルガー・ロー】 (ページ49)

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二十話:名前ページ49

二日目は車で観光地を回った。
昨日よりも遠くまで足を伸ばせたので、中心街から離れた場所にある宮殿や教会など、いろんな場所を見て回れた。

そんな楽しい旅行もついに終わり。

日が沈みかけたころ、私たちはアウトバーンの入り口に向かっていた。

昨日と今日とで色々なところに赴いたからホントに疲れた。けどトラファルガーは今から運転しなきゃいけないんだからそんなこと言ってられない。

でもやっぱり首はかくんかくんと上下に動いて、眠気は断続的に襲ってくる。

「眠ィなら寝てろよ」

そう声をかけてくれたけど、大丈夫、と強がって首を左右に振った。

が、まぁ当たり前だけどいつのまにか眠っていて、目を覚ましたら、車はアウトホーフという、日本で言うところのパーキングエリアのようなところに止まっていた。

トラファルガーは隣ですうすうと寝息を立てている。仮眠をとっているのだろう。

飲み物のホルダーには外で買って来たっぽいコーヒーが置いてあった。

さっきまで眠っていたからそんなに眠くはないけど暇だ。
そう思ってスマホを取り出したら、不意にメッセージチャットアプリに何かメッセージが届いていた。

なんだろう、と開いてみると、顔面凶器、つまりは今隣で寝ているやつから、画像が送られて来ていた。
何送って来たんだ。
何気なくタップしてみると

「げ」

私の寝顔。多分ホテルで撮られたんだと思うけど、ぐっすり寝ている自分の写真が、今日の昼過ぎごろに送られて来ているではないか。
ちょうどサンスーシ宮殿あたりにいた時だ。

このやろう。やりやがったな。

仕返しに、今隣で寝ている寝顔をケータイのカメラに撮って、トラファルガーに送り付けてやった。

それにしても、彼はホントに隈が凄い。
いつもちゃんと寝ているんだろうか。コーヒーばかり飲んでたら、眠れなくなるんではないか。

医者を目指してるくせに、自分の健康は保てないんだから世話ない。

あたりが静かだから、彼の規則正しい寝息が聞こえてくる。疲れが溜まっているんだろう。当然だ。私がぐっすり寝てる間も彼は運転してくれてたんだから。

私と同じ歳のくせに私より運転上手いってどゆこと…。

車の中の時計を見れば、もうすでに9時を回っていた。ここからミュンヘンまではまだもう少しかかるだろう。帰る頃には10時になっているかもしれない。

だけど

「お疲れ様」

今はゆっくり休んで欲しい。純粋にそう思った。