【ONEPIECE】君により【トラファルガー・ロー】 (ページ48)

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部屋に戻れば、トラファルガーが目を覚ましていた。
ボケーっとした顔でベッドの上で身体を起こしている。

「おはよ」

声をかけると、んーと寝ぼけた声をこぼしながら、またベッドに身体を倒してしまった。

まぁチェックアウトまであと2時間半以上あるから、寝かしといてやるか。

そのまま部屋の中のゴミやらを片付け、カバンの中を整理していると、ごそごそと後ろで音がした。
トラファルガー起きたんだ。

そう思って振り向いたことを、私は後悔する。

「ちょっと！なんでこんなとこで着替えてんのあほ！」

ぶおん、と音が鳴りそうな勢いで背中を向ける。

振り向いた先には、上半身裸のトラファルガーがいて、黙々と着替えをしていた。
人には上着ろだの言うくせに！

一瞬見えた身体。ガリガリだと思っていたのに、その実、彼の体は引き締まった筋肉がついていて、腹筋は見事に割れていた。

断じて私は変態じゃない。あんなの見せられたら誰だってこうなる。

私が目を押さえてうずくまっていると、しばらくしたら隣にトラファルガーがやって来て、私の頭を鷲掴みにして上から押さえ込んできた。

「誰があほだコラ」

見上げると、着替え終わったトラファルガーが私を不機嫌な顔で見下ろしていた。

長い足がジーンズで引き締められていて、ゆるいVネックシャツと黒いカーディガン。首や腕、耳に至るまでシンプルなアクセサリーを身につけている。

私よりファッションセンスあるのまじムカつく。
しかも似合ってるからことさらにムカつく…。

ていうか

「ぶっ…ダイナミック寝癖じゃん」

服も装飾品もきっちりしてるのに髪の毛だけ重力に逆らいまくってぴょいんと豪快に跳ねていた。
エースも、サボくんやルフィくんがうちに泊まりに来た時も、こんな感じの寝癖つけてる。

だめだ。じわじわくる…。

堪えていた笑いがどんどん溢れて来て、次第にツボにハマり、お腹を抱えてケタケタと笑い出す。

笑いすぎて涙目になりながら彼を見ると、彼はむすっと口を尖らせていた。

「んなに笑うことねェだろ」

「んふふ、ごめんて。直したげるからそこ座って」

まだ余韻の残るなか、私は椅子の方を指差して、ドライヤーとブラシを手に取った。

トラファルガーの髪の毛は意外とふわふわしていて、触り心地が良かった、なんて事、本人には絶対言ってやらない。