【ONEPIECE】君により【トラファルガー・ロー】 (ページ46)

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「おうおう、お若いカップルだね！」

「んん？違うよおじさん、私たち友達だよ」

勘違いしてるおじさんに訂正を入れると、そうかいそうかいと笑いながら、カップを手に取った。
おじさん信じてないな？マキノさんみを感じるぞ？
まぁ顔がいいから許すけど。

「おじさん、私オレンジ！」

「コーヒーくれ」

ニコニコのおじさんがはいよ、と返事をすると、慣れた手つきでジェラートを準備してくれた。
手渡されたカップはひんやり冷たくて気持ちがいい。

お代をチャリンと渡すと、おじさんがちょいちょいと手招きをする。

「いいもん見せてもらったからな。おまけだ」

そう言って、おじさんは私たちのカップに追加をしてくれた。
おじさん太っ腹やんけ…。

すたすたと、パラソル付きのテラス席へ駆けて行き、どーんと座り込む。
後からトラファルガーも追いかけてきて、向かい合う形で席についた。

「んー、オレンジうま」

パクリと一口食べれば、口の中でオレンジ味がすうっと溶けていってひんやりしたものが舌を包み込んでいく。

オレンジ味が大好きな私。こういうものは何かとオレンジのものを選んでしまう。かき氷にはオレンジシロップがないのが悲しいところ。

「そっちおいしい？」

「…まぁまぁ」

いつもなら甘いものを食べると文句を言いながら食べる彼だが、今回は珍しく黙々と食べ進めている。うまかったんだ。よかった。

「どれ！」

ぷすっとスプーンをさして、トラファルガーのジェラートを一口分かっさらう。
口の中に突っ込めば、ほろにがのコーヒー味が広がる。
甘みも少しあって、私も食べられるくらいの味だ。

「うむ、丁度いい」

「…おい」

うんうんと頷いていると、文句ありげに私をじろっと見つめてくる。

「けちけちすんなって。私のも分けたげるから」

そう言って自分のカップを差し出すが、彼は取る気配はない。
甘いもんはいらねェってか。

仕方ないから私のスプーンに掬い取ってひらひらと彼の口の前にちらつかせる。

「ほれほれ、喰わんのかねトラファルガー」

ニヤニヤ笑いながら挑発気味にそういうが、彼はむっとした顔のまま。
やっぱ食べないか、と自分の方に引っ込めようとすると

「食べないならあげな＿＿＿」

ぱし

と彼は私の腕を掴んで、そのままスプーンを口の中に突っ込んで

「あま」

茫然とする私をよそに、彼はにやりと笑みを浮かべた。