【ONEPIECE】君により【トラファルガー・ロー】 (ページ38)

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十六話:お出かけページ38

「わー！やば、ちょ見て！かわいい！」

テンション爆上げ中の私、何故かと言えば私が今いる場所のおかげである。
何処かと言えば、そう、ローテンブルクだ。
木組みの街。カラフルな家が並ぶ、どちゃくそ可愛い街。

一回来て見たかったんだよね。

元々一人で来る予定だったけど、ボッチ同士で同盟を組んだ、もとい友達になったので、トラファルガーと一緒に来た。

電車を乗り継いで二人旅。世界の車窓から的な感じで楽しい。

トラファルガーはこういうの好きなのかどうかわかんないけど。
我を忘れてはしゃぎまくっていたから、たまに振り返って彼の様子を見ていたけど、落ち着いた様子で観光地を見ていた。

でも口許は緩んでいたので、楽しんでくれている、…と思う。

今は町が一望できる丘に来ていた。
私たち以外にも観光客はたくさんいて、写真を撮っている人もたくさん。
世にいう映えスポットなので、日本人も大勢いて、ちらほら日本語が聞こえてくる。

「いー眺めだねぇ」

カメラで写真を撮りまくりながら心底楽しんでいると、後からのんびりとこちらにやってきたトラファルガーは、私の隣に並んだ。

ちらっと眼を見やると、トラファルガーの横顔が目に入る。

うーん、隈があってもかなり美形だな。羨ましい限りだこの野郎。
平たい顔族はつらいぜ…。

「何じろじろ見てんだよ」

ふっと、トラファルガーが私の方に振り返る。
むすっとして、じろりと睨みつけてくるので、目潰しでもしてやろうかと右手の指を二本構えると、拳を指の間にねじ込まれた。

「いだだだだっ、何すんだコラ」

「テメェが先に仕掛けてきたんだろうが」

「ひえ…指が裂ける…」

「裂けるかよ、ばーか」

ふっ、と鼻で笑いながら、彼は私の頬を潰すように挟んだ。
絶対タコみたいな顔してる今。

それを振り払って手に持っていたカメラの紐を首から掛けた。
それからポケットからスマホを取り出して自撮り用のアプリを開く。

「ちょい、グラサン貸して」

ひょいっとトラファルガーの服の胸元に引っかけてあったグラサンを奪い取り、自分の目に装着する。

「どや、似合うっしょ」

「ませたガキに見えるな」

「うるっさい」

げしっと彼の足元を蹴る。
自分が童顔なことぐらい知ってるっつの。

何すんだよ、と文句を垂れる彼に手招きしながら、私は町をバックにスマホを構えた。