【ONEPIECE】君により【トラファルガー・ロー】 (ページ35)

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十五話:友達になろうページ35

あの事件の翌日、私は午前中の講義を終えて、昼はマキノさんのお手製を食べて、午後からのシフトに入った。

明日から夏休みに入る。ので、さっそくあの二人と一緒に湖に出かける。はちゃめちゃに楽しみ。

他にも行きたい場所やイベントはいくつか調べてあるけど、ボッチで行くのかぁ、とそこは少しナーバスな気分だ。こんなことならあの二人以外にも友達を作っておくべきだった。

大学ではほとんど三人でつるんでいるから、そっちの方が楽でいいんだけど、まさか二人が恋仲(疑惑)だなんて、計算外だ…。

うーん、と悩みに悩んでいると、からん、とドアベルが控えめに鳴った。
みればもうすっかり見慣れたトラファルガーの姿。

昨日ぶりだ。
彼はいつもみたいに席につかずに、私の姿を見ると少し悲しそうに顔を歪めた。

「どした？座んないの？」

私は極力笑って見せて、ぴっと彼のいつもの席を指す。
すると、やっぱり浮かない顔で頷いて、彼の特等席に腰かけた。

「ん、いつものでいい？」

普段なら私が注文は？と聞く前に、ブレンドを寄越せと所望するものだから尋ねることもないんだけど、今日は席に着いてからも全然口を開かずに俯いたままだった。

彼は、頷いたのか、それともさらに俯いたのかわからないほど小さく顎を引く。
それを肯定と捉えて、私はコーヒーを淹れに、カウンターへ戻った。

いつも私がコーヒーを運んでいく頃には、勉強道具を広げている彼だが、さっきのまんま、同じ体勢で俯いて座っていた。

かちゃん、とコーヒーを置くと、トラファルガーはゆっくりと俯いていた顔を上げた。
ゆらりと彼の琥珀色の目が、頼りなく揺れる。口は不安そうに半開きになっていて、

それからキュッと唇を結ぶと、躊躇いながら話し始めた。

「わる、かった…」

「…なにが？」

「昨日のことに決まってんだろ…」

わざとらしくそう返すと、トラファルガーは小さくそう返してきた。言葉は強かったけど、その声は弱々しくて、私は思わずため息を零す。

「別にあんたが謝ることないでしょ。それに、助けてくれたじゃんか」

「っ…でも、俺のせいで…」

テーブルの上に乗せた拳をグッと握りこんで、彼はまた俯いてしまう。
まぁ確かにあの子の言い分は私とトラファルガーが近づいて話してるのが気にくわないって言うことだったけども。

微かに拳が震えていて、彼はどうやら相当思い詰めているようだった。