【ONEPIECE】君により【トラファルガー・ロー】 (ページ23)

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十二話:ベポページ23

台持ってこよ…。

私はとぼとぼ結構遠くで見た台を探す旅に出かけた。
なんて二度手間…チビって不便ね…。

よっこらせ、と台を本棚のそばまで持ってきて、ぐぐっと手を伸ばし、やっとこさ百科事典を手に入れた。
これで載ってなかったら泣く。

台を近くの端っこに置いて、本を両手に抱え、さっきの席まで戻って、どすんっと本を置いて広げる。

「あった」

当たり前だけど説明文もドイツ語。
解読に手間取りながら、ゆっくりと読み進めて、メモにとってはまた次の単語。
それが分かったら課題を書き進め、また同じ作業を繰り返す。

講義まであと三十分もある。
課題はまだもう少しかかりそうだ。
気合い入れよう、そう思って腕をまくると、

「ここ、こっちだ」

とんっと、いきなり目の前に人差し指が現れて、私の課題の紙面を指した。
不本意ながら聞き覚えがありすぎるその声に、恐る恐る顔を上げると、

「げっ」

トラファルガーがいた。
なんか最近アンタとのエンカ率高くないか？？？
つい数日前にうちの店で会ったばっかじゃん。

「何だその顔は。人が折角教えてやってんのに」

「私に貸しを作ってどうするつもり？まさかこき使う気？」

「そのまま延々と時間かけてやる気か？俺に教えを乞う方が断然効率的だ」

そういうと、トラファルガーは私の向かいの席に腰を下ろして、私のリュックの横にカバンを置いた。
中からシャーペンを取り出して、とんとん、と私の課題に修正を入れる。

「…なんも見返り求めないでよ」

「さぁな。お前次第だ。

こっちを使う場合は…」

トラファルガーは頼んでもないのに説明を始めた。

不覚にもめちゃくちゃわかりやすいし、いちいち辞書や百科事典を引かなくてもいい。

メモも残してくれて、日本で売ってる参考書なんかよりずっといい。
さすが現地人間としか言いようがない。悔しいけど。

トラファルガーの教えも手伝って、私の課題は数分で終わった。
医学部なのに…、いやコイツ頭いいんだろうな。

レポートは家で仕上げよう。これは流石に手伝ってもらうわけにはいかない。
私は持って帰るものをまとめてリュックにつめ、図書館で借りてきたものを返すためにガタンと立ち上がった。

トラファルガーは自分の勉強をするようで、カバンから勉強道具を取り出して机に広げていた。

「…ありがと、助かった」

気恥ずかしくて俯いてしまったけど、一応礼儀として伝えるべきだと、そう思った。