【ONEPIECE】君により【トラファルガー・ロー】 (ページ22)

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・ページ22

「ふーん、マキノさんに伝えといてあげるよ」

にやっと笑ってまた背を向ける。
そしてカウンターに戻ってささっと皿やカップを洗い始めた。

「そっちじゃねェっての……」

トラファルガーがそんな風に呟いていたなんて、その時の私は知らなかった。

洗い終えたところでマキノさんが戻ってきた。
私は皿やカップを棚に戻しているところだった。

「もう上がって良かったのに。彼氏くんと二人でお茶でもしてたら？」

「だから違います」

もう何回言えばわかるんだマキノさん。その手の話好きすぎだよ。そんなとこも素敵。

「あ、マキノさん。アイツ、ティラミス美味しかったって言ってましたよ」

「あらそう？まぁAが持っていったんだから、美味しさ倍増よね！」

「どう言う理屈ですかそれは…」

ニコニコ笑うマキノさんが眩しくて反論するのも諦め始める。
もういいや。

その後、ものすごーくニヤけたマキノさんがトラファルガーの会計を済ませている中、私は店の奥に戻っていった。

・

提出する課題やレポートをカバンに突っ込んで、その日も大学へと出かけた。

今日は午前中にふたつ、午後にひとつ講義が入ってるから、最初の講義が始まるまで図書館で来週までの課題を仕上げることにした。

私はドイツ語に慣れてないから、レポートや課題も一苦労。わからない単語が出てきたらすぐに辞書を引いたり、調べたりする。だから図書館は何かと便利なのだ。

今やっている課題の関連の本が並ぶ棚の近くの席に座って、ノートや参考書、レポート用紙を広げる。他に何人か人がいるけど、この時間はほとんどいないみたいだ。

他の人の邪魔になるとか気にせずに勉強できるからその方が楽でいい。
腕時計をテーブルに置いて、時間をちょくちょく確認しながら、課題を書き進めた。

辞書を引っ張り出してぺらぺらとめくる。
…載ってない。別の辞書と、あとは百科事典も確認しよう。

そう言って席を立ち、分厚い本が並ぶ本棚の前に立った。

めちゃ上の方にある。いや、確かに平均身長高めのドイツ人専用設計だから、高いとこにあるってのは分かってたけど、
背伸びしても棚に手をついて爪先立ちしても、
本の下のところにすら届かない。しかも百科事典て結構分厚いから、この調子じゃ落っこちてきて頭打って死ぬ…。

ここで背の高いイケメンが助けてくれて、きゅん、目と目が合う～瞬間好きだと気づいた～的な展開
…にはならない。