【ONEPIECE】君により【トラファルガー・ロー】 (ページ2)

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自分の指定席に座り、離陸の時間まで胸の高揚を抑えられずにそわそわしながら待っていた。

飛行機に乗るのはこれが初めてじゃない。

小さい頃、東北にある祖父母の家に泊りに行く予定だったのだが、出発するはずの日に私以外の家族に急に予定が出来てしまい、私は一人で先に向かうことになった。その時に一人で飛行機に乗ったのが初めての経験だ。

離陸の瞬間が苦手なのでそれも少し緊張の種だった。紅茶でも飲んで落ち着きたい。ちなみに私、コーヒーは飲めない人間。

ふと窓の外に目を見やる。だだっ広い滑走路に、他の飛行機や貨物なんかが並んでいる。
飛行中の、雲の上の景色は好きなんだけど、この景色は味気ないな。

ビビり散らかしながら離陸を終え、飛行機はやっとこさ安定飛行状態に入った。
いつの間にか飴玉は溶けきっていた。

まずシンガポールに向かってから、ミュンヘン国際空港まで向かう。そこからはホームステイ先に行って、お世話になるご夫婦に挨拶して…今からの行動とその時間をメモった紙とにらめっこする。

普段はこんなことしない性分なんだけど、如何せん慣れない土地に行くものだから心配で慎重になりすぎている。
友人のナミ曰く、「あんたって、変なとこで几帳面よね。いつも大雑把なのに」とのこと。小さい頃の口癖は、まぁいっか、だったのでそれは重々自覚している。

隣の席に座っている人はいなかったから、悠々自適に寛いで、あっという間にシンガポールに辿り着いた。
そこから、乗り継ぎ時間の一時間とちょっとを待機して、今度はミュンヘン行きの便に、同じようにドキドキしながら乗り込んだ。

つめたい紅茶を頼み、持ってきたお菓子を食べながら外の様子を眺めて、あこがれのドイツへの旅を楽しんでいた。

ミュンヘンまではかなり時間がかかる。
高ぶっている気持ちはずっと続いていたけれど、体の疲れは出てくるもので、瞼が何度もぴったり貼りついて、私は気づかないうちに意識を手放していた。