君にこの気持ち伝えたくて (ページ6)

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一線を引かれたページ6

そして

先程よりも顔が見えるように

マスクをズラした紫耀君が

紫耀「知ってるかもしれないけど…」

A「……？」

紫耀「デビューしたんだ…。」

紫耀「仕事も前より忙しいし、
今は一番大事な時期なんだ…」

A「そ、そっか…そうだよね…」

紫耀「………」

A「勝手に来ちゃてごめんね…」

紫耀君、

やっとデビューしたんだね…

今、この瞬間に

その事実を知った私。

【絶対、デビューするから！見てろよ！】

数年前に

そう語った紫耀君のキラキラした横顔

今でも忘れてないで

脳裏に焼き付いてる。

私なんかが

勝手に会いに来て

今更…

何様なのだろうか

〝一般人〟の私が

もう簡単に会いに来ては駄目な人。

まるで

もう住む世界が違うからって

そう一線を引かれたみたいで…

距離が物凄く

離れてしまったように感じた。

紫耀「もう、会う事はないから…」

最後にそう言い残して

去って行く彼の背中を

ただただ見つめ続けた

それでも

伝えたい気持ちも

話したい言葉も

私にはたくさんあるから

次の日も

その次の日も

紫耀君家のエントランスの前で

待ち続けた。