君にこの気持ち伝えたくて (ページ39)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:18,004 hit

S)病院へページ39

俺は…

俺は何も知らずに

この2年を過ごしてきたっていうのか…。

でも何故？

何故、二年もの間

俺だけが知らずに過ごしていたのか…

母親だって

Aのお母さん

つまり、みっちゃんだって

目の前の竜も

何故誰もその話を

俺にしてこなかったのか

疑問にも思った。

だって

すげー仲良かったじゃんって

親同士も仲良くて…

幸せな話や不幸な話

それらは、全部共有してて

事故なんかに巻き込まれたら

すぐにでも俺の耳に入るはずなのに…

もう

頭がおかしくなりそうだ…。

紫耀「ど、うして…」

竜は、最後に

竜「〇〇病院だ…

お前の目で確かめろ。」

そう言うと

いつまでも彼女を

待たせるわけにはいかないからと

竜とは、そこで分かれた。

真実を知るのには

自分の目で見て確かめるしかなくて

周りのガヤガヤした

賑やかな声とは対照的に

俺の心は

真っ暗闇に

突き落とされた気分だった。

どのくらいその場所に居たかわからない。

時間だけがすぎていく。

そして

再度Aが現れる事はなかった…

という事実。

俺はゆっくりと

その重い足を動かした。

向かった場所は

先程竜に教えてもらった病院だ。

こんな大きな病院へ来る事は

あまりないから

少し躊躇する。

本当にこの場所にAがいるのだろうか…

竜が嘘をつくような人間ではない事は

わかっているつもりでも

やはり、

疑ってしまうのは

先程までAと一緒にいたという

過程があるからだと思う。