君にこの気持ち伝えたくて (ページ37)

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S) 頭が真っ白ページ37

みるみるうちに

真っ青になってく竜の顔。

紫耀「だから、Aだって！」

そう言ったら

「へ？…ハ、ハハハハッ…」

って竜のワザとらしい

乾いた笑い声だけが

この場所に響いた。

紫耀「ほら、あそこにッ…っっ」

そしたら

急に俺の胸ぐらを掴んだ竜が

竜「冗談でもさ、

全然笑えねぇよ、紫耀。」

低い声でそう言った竜の目が

怖いぐらいに

真剣で

訳が分からず

紫耀「竜、何言ってんの？どう言う意味？」

冷静に返したら

ハッとした竜が

「あ、わりー。」

本当に悪びれる素ぶりなんてないようで

胸ぐらを掴んでいた手を離した。

紫耀「竜？

何だよ、どうした？」

急に胸ぐら掴んで来た

意図が知りたくて

竜「何でもねー

紫耀、またな」

そう言って

急いで踵を返そうとする竜に

俺はその腕を掴んだ。

紫耀「竜？Aと何かあったのか？」

ビクッとした肩を

俺は見逃さなかった。

はぁ、と一呼吸した竜が

俺の手をそっと剥がすと

竜「ごめん、ちょっとだけ紫耀と話して来ていい？」

って隣の彼女に

許可を得ると

「全然いいよ、あっちで待ってるね」

そう言って

竜の彼女は

俺たちから少し離れた。

竜「紫耀…

お前、まだ何も聞いてない？

その様子じゃ、何もだよな…」

まだって？

紫耀「何を？」

竜「Aの事…」

紫耀「え？」

この時

何でかはわからないけど

身体中ザワザワして

凄く

物凄く

嫌な予感がしたんだ。

竜「Aは今…

病院で寝たきりなんだよ……。」

完全に

頭が真っ白だ……ーー。