一粒の涙 ページ13
A「あ、そう言えば！」
A「紫耀君、デビューおめでとう！」
この空気がなんだか嫌で
咄嗟に話題を変えてみた。
紫耀「ありがとっ」
A「凄いね、まさか友達に
芸能人がいるなんて…
自慢出来ちゃうよ」
紫耀「自慢なんて…
俺達はまだまだだよ…」
話題を変える事で
モヤモヤとした気持ちを
晴らす事は出来なかったけど
紫耀君とこうして
また話せる日が来た事が
何よりも嬉しくて
A「デビュー曲ってどんな曲？」
紫耀「いい歌」
それと同時に
残酷だと思ってしまう私は
A「それだけ？」
紫耀「凄くいい歌」
紫耀君に気付かれないように
一粒
涙を流しすぐにそれを拭った。
A「いい歌なのはわかったよ」
A「他には？」
紫耀「聞けばわかるよ」
A「じゃ、歌って?」
紫耀「ヤダ。金取るぞ」
A「ケチッ」
紫耀「なんか言ったか？」
A「別に〜」
高校の頃を思い出すかのような
会話のやり取りに
私も紫耀君も
同じ事を思ったのか
顔を見合わせて笑った。
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作者名：まる | 作成日時：2019年7月13日 0時
