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〈 来るぞ 〉
「――――――っ、」
「――――――どうした、千尋……!!!!」
一瞬、心臓を掴まれたように、息ができなくて。
呪物の気配!!!!
「おいオマエ!」
伏黒恵がいち早く過ぎ去る男に叫ぶも。
「―――って速すぎんだろ!!」
すれ違いざまに強まった呪物の気配を纏う人物は、ありえない速度で駆け抜ける。
黄色のパーカーに、桜色の短髪。
あれって、さっき鉄球ぶん投げてた人だ!
「アイツ、50m3秒で走るらしいぞ」
「え゛」
車かよっ!!
「待て!」
「追わないの!?」
呪物の気配のした鉄球の人は、もうすでに見えなくなっていて。
それでも走りだそうとした私を、伏黒恵が止めた。
「なんで!」
目の前にいたのに!!
放っておけば大変になることは、伏黒恵が一番理解してるのに!!
「無理だ!速すぎる!」
「わかんないでしょ!」
「馬鹿!情報集めて先回りする!」
「そんな時間ない!」
「追いかける方が時間の無駄だ!!見ただろアイツの速さ!もう遠くへ行ってる!」
「〜〜っ、……わかった」
散っていく人だかりの中。
鉄球の人が帰る前に一緒に会話していた生徒二人を見つけた。
「あのっ!」
「――――――私ら?」
「さっきの、鉄球投げてた人って」
「ああ、
こんな可愛い女の子にも追っかけられるのか〜いい人生だよな〜、女子生徒が言う。
「すみません、虎杖に急ぎの用事があるんです。家とかって分かりますか?」
「ん?あなた虎杖の友達?」
「まあ、そんな感じです」
伏黒恵がさらっと言ってのけた。
コイツ慣れてんな。
「この前肝試しに行った帰り、虎杖送ってっただろ?家の前までは行ってないけど、多分あの辺だよな?」
今度はもう一人の男子生徒が口を開いた。
「あ、そういえばそうだった。あの〜あの辺よ、南の、ほら」
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早瀬モモコ(プロフ) - リリリンゴさん» リリリンゴさんコメントありがとうございます!とても励みになります!更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!! (2021年10月16日 21時) (レス) id: 8442258d5b (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年10月13日 23時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
リリリンゴ - シリーズ最初から読みました!面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2021年10月13日 2時) (レス) @page6 id: 5191a43a7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早瀬モモコ | 作成日時:2021年10月12日 1時