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「体に異常は?」
「特に……」
「宿儺と代われるかい?」
「スクナ?」
「君が喰った呪いだよ」
え?五条先生???
「あぁ、うん。多分できるけど」
「じゃあ10秒だ。10秒経ったら戻っておいで」
うわ、この人さっきの特級呪物呼び出す気だ。
締め上げられた首が痛む。死の恐怖がフラシュバックして、眩暈がした。
こっちの気を知ってか知らずか、五条先生は体を伸ばして準備運動する。
「でも……」
戸惑う虎杖悠仁。
私もやめた方がいいと思う。
「大丈夫。僕、最強だから」
……なら大丈夫か、なんて納得させられた自分が少し嫌いになりそうだった。
「A、そこに突っ立ってたら危ないよ〜
それと恵、これ持ってて」
五条先生が伏黒恵に紙袋を投げた。なにあれ。
「これは?」
「喜久水庵『喜久福』。仙台名物。超うまい。僕のオススメはずんだ生クリーム味」
「「(この人土産買ってから来やがった、人が死にかけてるときに!)」」
伏黒恵と思ったことは同じだったか。
なんか同じような顔してる気がする。
「あ、それ土産じゃないよ。僕が帰りの新幹線で食べるんだ」
五条先生が伏黒恵に振り返って、どうでもいいことを言った。
次の瞬間。
再び特級呪物の呪いが押し寄せた。
それは五条先生の背後に……
「喜久福は他のお土産とは一味違って……」
「五条先生!」
「後ろ!」
虎杖悠仁が、五条先生に飛び掛かる。
が、いたはずの場所に五条先生はいない。
虎杖悠仁の腕が空を切り裂き、その背中に五条先生が座って「そんでね、中の生クリームが絶品なのよ」と話を続ける。
「!!」
あれが、両面宿儺……
身体は虎杖悠仁のままなのに、明らかに違う。
顔と上半身に浮かび上がる呪印。
先刻の、両面宿儺に触れた記憶が呼び起こされる。
虎杖悠仁の体を乗っ取った両面宿儺が再び五条先生に殴りかかるが、五条先生はそれもヒラリと躱してしまう。
「生徒の前なんでね、カッコつけさせてもらうよ」
そう言った五条先生は、その言葉の通り。
目にもとまらぬ速さで両面宿儺と交戦する。なにが起こっているか分からない。
五条先生に投げ飛ばされた両面宿儺が私の横に転がって、そして。
〈 やはりお前からいい香りがする…… 〉
「っ!?」
殺気が渦巻く紅い瞳が突然目前に迫った。
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早瀬モモコ(プロフ) - リリリンゴさん» リリリンゴさんコメントありがとうございます!とても励みになります!更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!! (2021年10月16日 21時) (レス) id: 8442258d5b (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年10月13日 23時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
リリリンゴ - シリーズ最初から読みました!面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2021年10月13日 2時) (レス) @page6 id: 5191a43a7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早瀬モモコ | 作成日時:2021年10月12日 1時