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「特に学校や病院のような大勢の思い出に残る場所には呪いが吹き溜りやすい。
辛酸・後悔・恥辱……
人間が記憶を反芻する度、その感情の受け皿となるからだ」
「……」
律儀にも、伏黒恵は丁寧に説明する。
そんな悠長にしてられないのに……早く回収しないと、間に合わない！
「だから学校には大抵‟魔除け”の呪物が置いてあった。オマエの拾ったものもソレだ」
「魔除け？ならいいじゃん、何が危険なの？」
「そんなこと言ってられないのっ」
「えぇ？」
「最後まで聞け。
より邪悪な呪物を置くことで他の呪いを寄せ付けない。毒で毒を制す悪習だ。
現に長い年月が経ち、封印が緩んで呪いに転じた。
今や呪いを呼び寄せ肥えさせる餌。
その中でもお前の高校に置かれていたのは特級に分類される危険度の高いものだ。
人死にが出ないうちに渡せ」
ようやく伏黒恵が話し終わって。
虎杖悠仁は胡散臭そうに一息ついた。
他に被害が出る前にはやく。
もう、これ以上待ってられない。
「お願い、渡して」
「いやだから、俺は別にいいんだって」
虎杖悠仁がもたれかかっていた椅子から体を起こし、着ていたパーカーのポケットを探る。
そんなとこに……
「……ほら。」
私が凄むように言えば、虎杖悠仁が素直に特級呪物の入った小さな木箱を取り出した。
「先輩に言えよ」
伏黒恵がそれを受け取って、中身を確認しようと蓋を開け――――――
空……!?
「え――――――」
スライド式の木箱の中に、呪符にくるまれたソレはなかった。
私たちがここまで追ってきたのは、箱にこびりついた残穢……！！
「中身は！？」
思考が停止しかけた私を置いて、伏黒恵が虎杖悠仁の胸倉をつかんで迫った。
「だから！先輩が持ってるって！！」
「聞いてない！」
先輩って、放課後に話したあの人達か！？
そんな……あの時はそんな感じしなかったのに。
でも学校全体が濃い呪力の気配に包まれていたんだ、紛れることなんて容易いかも……
「ソイツの家は！？」
「知らねぇよ。確か泉区……の、方……」
「……？」
虎杖悠仁が言いかけて、思い出したように呟く。
「そういや今日、夜の学校でアレのお札剥がすって――――――――――
そこまで聞こえて。
足が勝手に走り出していた。
伏黒恵の制止を求める声なんて、聞こえるはずもなかった。
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早瀬モモコ(プロフ) - リリリンゴさん» リリリンゴさんコメントありがとうございます！とても励みになります！更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！！ (2021年10月16日 21時) (
レス) id: 8442258d5b (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年10月13日 23時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
リリリンゴ - シリーズ最初から読みました！面白いです！更新頑張ってください！応援してます！ (2021年10月13日 2時) (レス) @page6 id: 5191a43a7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早瀬モモコ | 作成日時：2021年10月12日 1時
