キミとサクマのいない時間《Before A days》

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ごめんなちゃいって何よ、


すごく気にしてるのに





すてきなまいにちって何よ、


サクマいないくせに





やくそくなんかしないよ、


サクマがいなきゃヤダってアタシ言ったもん






「……言ったもん」









文字がぼやぁっとにじんで見える。




初めて見るサクマの文字、ちゃんと見たいのに




涙をゴシゴシ拭ったら

もう一度、


今度は字をなぞりながら読む。





『サクマより』








「……紛らわしいんだってば」






消しゴムにいれなくったって、


もっと、分かりやすい方法あったじゃん






気づかなかったら、どうするつもりだったの？









ツッコミたいことがぽんぽん頭に浮かんで



一生懸命、これを書いて消しゴムに入れてる

サクマも浮かんで




かわいくて、愛しくて









「会いたい……」









何度口にしても、叶う方法は分からないけど


アタシの『すてきなまいにち』には




サクマがいなきゃダメだから









「サクマ……」






抱きしめる手紙が手の中で音を立てる。



目の先には、消しゴムが寂しそうに転がってて







「ごめんね、」






手紙を守ってくれてたのに



ちゃんとケースに戻してみたら、


さっきよりは怖くない







「消しゴム……、どうしよ、」







普通は文字を消したりするしかないのに



そう心の中で呟いて、ハッとした。






「まさか、ね」






サクマの手紙を広げてみる





間違ったら、もう２度と見れないそれを

何度も、目に焼き付けて



ゆっくり消しゴムを取り上げる。







不思議なんだけど何故か、大丈夫な気がした








「……よし」






紙の上を消しゴムが動く




ゆっくり消えていく文字






あぁ、消えちゃう









少しだけ震える手を押さえながら続けてたら






どうしても、消えない文字があって




それが、１つずつ浮かび上がる内に


胸がドキドキして






全部、終わる頃には








「……バカサクマ」









涙が止まらなくなってた。









紛らわしいんだよ





最初から、そう書けばいいじゃない







『サクマがいなくても』なんて


強がりしないで





だって、アタシだってずっと、ずっと









『Aへ

　だ

　 い す

　 き

　サクマより』









「……大好きだよ、サクマ」





どうしようもないくらい、



サクマが大好きだよ

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