キミとサクマのいない時間《Before A days》

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「送ってくれて、ありがとうございました」



照「いいよいいよ、女の子1人じゃあぶねぇもん」



「照さんって、コワかわいいですよね」



照「初めて聞いた言葉だけど納得できるわ(笑)」







あれから、照さん特製のパスタと、


ちょっとだけカクテルもごちそうになって




お店は早々に貸し切りにしてくれたことを知ったのは



「遅いから送るわ」って

お店を出た時のことで






「お店……、本当にごめんなさい」



照「いいって、

　むしろ最初のお客がAでよかった」






そうは言ってくれても


やっぱり少しは気にするから、なんとなく俯きがちだったのに



照さんは



「ほら、顔上げろって」って



少し強引に、ほっぺたを持ち上げて






照「これ以上落ち込むんなら、キス」


「……ヤです」


照「イケると思ったんだけどな(笑)」



「……、サクマが怒るので」






うわぁ、言ってみたら、相当イタい。


けど、意外とほっとして





照「言うじゃん(笑)

　なら、サクマ帰ってこない間に急がないと」



「ふふっ、またお店行きますね」



照「いつでも待ってる」








「じゃあ、おやすみ」って頭を撫でてくれる手の重さは


もう、サクマと比べるんじゃくて



照さんの重さって頭が覚えた。







「おやすみなさい」






ひらひらと手を振って帰っていく後ろ姿を見送って


空を見たら、



都会にしては綺麗な星空で









「……、今日はゆっくりお風呂はいろ」





腫れまくってる目をなんとかしなくちゃ



それで、パックして


美顔ローラーでも転がして……





どんどんやりたいことは浮かんできて






「帰ろ、」





エントランスに入っていく足は

びっくりするくらい、軽かった。






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照「はぁ……、サクマ、か」





そっぽ向かれた時に見えた、キスマーク



耳の裏辺りにあるから、きっとAには見えなくて




普通の人は気づかないけど、




ソウイウつもりで近づいた男には、絶対目に入る場所








照「絶対、渡す気ねぇじゃん(笑)」






これは手、出すんなら死ぬ気出さないと絶対負けるな








……割と、本気でかわいいと思ってたのに









照「サクマ……、早く帰って来いよ？」






呟いてみる俺は、少しだけ苦笑い。





会ってみたいな



なんか、うまくやれそうな気がするし





まぁ、帰ってこないならそれで、全然その気だけど(笑)

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