君を守りたい【狗巻棘】 (ページ36)

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「ちょっとなんか嫌な感じが…」

「気のせいだ」
「気のせいだな」
「おかか」

と一斉に否定の言葉を掛けられる優太

まぁ…こんなにも晴れてるし、授業もやっと終わってこれから皆で遊びに行く、こんな普通で平凡な日なのに何かあるわけない、それに

「優太の呪力感知超ザルじゃん」

「まぁ里香みたいのが常に横にいりゃ鈍くもなるわな」

「ツナ」

「それに一度も当たったことないしね…」

「Aさんまで…」

としゅんとして見せる優太、今日も今日とて可愛いですね、折本里香が惚れるのもなんとなくわかる

高専に来てから数週間立ってるけど、特に変わったこともないし、なんなら仕事が減ってくれて助かってる

初めての寮生活だけど知ってる人ばかりだし困ってはない

取り敢えず午後の予定の準備の為皆で寮に向かっていると聞こえてきた大きな羽音

「珍しいな」

「優太の勘が当たった」

現れたのは大きなペリカン…え、ペリカン？

皆が戦闘準備に入る中優太は一人その鳥の大きさに感心していた

「変わらないね、呪術高専は」

「え～夏油様ァ本当にココ東京ォ??」

と失礼なことを言いながら鳥の口から出てくる同い年くらいの女の子達

パンダだと騒いで写真を撮ったりと結構自分勝手

皆が優太を盾に帰らせようとするも変える素振りは見せない

「初めまして乙骨君、私は夏油傑」

と律儀に手間で取って挨拶する夏油さん

私の時はそのしっかりとした挨拶なかったんですけど？

皆が夏油さんの速さに圧倒されてる中、つらつらと私も初めて聞くイカレた思想をご丁寧に説明してくれる夏油さんをじっと見る

非術師を皆殺しとか物騒なこと考えてんなぁ…

「まずその子達から離れろ、傑」

と聞いたことないような低い声で威嚇する悟さん

同じイカレてる人でもやっぱり悟さんの方が好感持てるな、うんうん

と緊迫したこの空間で謎に私は一人冷静だった

「成程、君の受け持ちか…特級被呪者、突然変異呪骸、呪言師の末裔、呪いと人間の天秤、そして」

と私の紹介に自分はしっくりこなかったけどそんなのは真希ちゃんを見た夏油さんの雰囲気の代わり様に驚きどうでもよくなった

「禪院家のおちこぼれ」

それはまるで自分の世界からすべてを奪った敵を見るような目、憎きものを睨む目、憎悪を含んだ目

私この目を知ってる

何処かで見た、見たことある

この人と出会う前、ずっと前にどこかで見た

嫌悪の塊