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伊地知から予定に無い準一級レベルの呪いが現れたと聞き取り敢えず現場を見に行くと見慣れた小さな人影があった
少し観察してると何かを探してる様子、でも落とし物を探すにしては床を見てない、まるで誰かの呪力を追っているような動き
「ま〜だ居たの?探し物?」
と聞きながら近づけば少し驚いた様子でこっちを見るA
「悟さんこそ、なんでここに?」
「予定に無かった呪霊が出たって聞いたからね、なんでかなぁって」
「成程ね、じゃ帰るわ」
と言い帰ろうとするA、何故か焦ってるように見えて何かいつもと違う雰囲気を纏うAの手首を掴みじっと見る
「…な、なに」
「…」
「ねぇ、なに」
と痺れを切らしたAに言われてパッと手を離す
なんでAの周りから傑の呪力の残穢が確認できるのかは分からないけど、仲間だとかではなさそうだ、問題はAが傑と接触してるか、しているなら何を言われてこんなに焦っているのか
「いやぁ、何も?Aから棘の匂いがするなぁって、あ、ハグでもしちゃった?」
と何も気づかなかったふりをしてふざけると殴られる、と言っても無下限のせいで実際には触れられなかったけど
「棘とはそういう関係じゃない!」
「うんうん、デートに誘いたいけど素直になれない、かぁ、じゃあ僕がセッティングしてあげようか!」
と言いぐっと親指を立てて笑えば顔を赤らめて睨んでくるA
この恋心にAは気づいてないみたいだ
「よ〜し、殴る」
「あっはは、触れも出来ないくせに」
と馬鹿にすると、無下限の上から思いっきり殴られる
「うん、Aはそっちの方がいいよ」
「うるさ」
と言い離れてこの場を去ろうとする
「あれ、帰っちゃうの?高専寄ってく?」
「寄らない、私も忙しいの」
と言い帰ってしまうAの背中を見送る
その小さな背中で背負える限度をもう越しているのに、後どれだけ無理をするんだい
「人を頼りなよ…って言ってもどうせ聞かないよねぇ〜」
と独り言を言いながら傑の残穢の後を確認するも、時間がたっているのとわざとらしく散らばめてあり行先は特定不可能だった
はぁ、とため息を吐いてから伊地知に電話をかける
「あ、ねぇ、Aの母親の安否確認してくれる?」
僕の読みが正しければあの焦りは母親関連
今のAはとても不安定だ、ここでもし母親に何かあったらどう転ぶか分からない
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作者名:天音 | 作成日時:2021年1月9日 19時