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「…どちら様?」

「礼儀と言うものを知らぬか小娘、まずは名乗り出ろ」

と目の前には見たこともない人、でも何故か見た目は私と似ている、いや私の見た目を借りてる何か?

「双葉 A」

「そのくらい知っている」

と嘲笑う私によく似た人、じゃあなんで聞いたし

てかここは何処?見た目は私の領域内、でもじゃあこの人は誰?なんで私に似てるの?

ていうかそれよりも

「皆は何処」

「そう睨むな、今頃寝たきりのお主を心配して声かけてる所だろう」

と言うことは私だけが領域内に取り残されたのかそれとも私の領域に似た何処か、少なくとも目の前の人の術を奪えない

「なんで私の領域内にいるの」

「戯け、ここは余の生得領域、毎回お主が領域展開として使っておるのは余の生得領域の具現化、小娘が生意気にも余の生得領域を勝手に使いよって、不愉快極まりない」

と宙に浮かび私を見下しながら愉しそうに笑うその人

てか私には名乗れって言うのに自分は名乗らないのかいな

「んで、誰」

「お主…自分の事は何も分かっておらぬのか、余は主、主は余」

「私があんたになった覚えはないけど?会ったこともないし」

「当たり前だ、今の今まで生意気にもお主が余を封印しておったのだからな」

「全然話が見えないんだけどあんたを表に出しちゃダメってことはわかった」

と言えば妖しくも楽しそうに笑うその人、まるでただゲームを楽しんでいるかのように

「あの憎たらしい夜叉めの呪いが弱り、お主が哀れにも領域展開をした、即ち余は自由の身、今度はお主が封印される番ぞ」

「いや、また封印されるのはそっちだね」

と構えるも今術は使えない、そしてこれが彼女の領域内と言うならばなんの術式が必中になるかは分からないけど現時点で私は不利

単なる呪力比べでもきっと負ける

夜叉…兄の呪いがこの人を封印してたとなれば彼女もきっと特級呪霊相当、今の私は相手にならないしそもそも封印方法なんざ知らない

口だけは回るんだよなぁ

「…じゃんけんで決めよう」

「じゃん…は?」

と目の前で真剣に言う彼女を見て困惑する

今じゃんけんって言った?え?

普通封印とかいう大切な事をじゃんけんで決める?てかじゃんけん勝ったら彼女封印できるの?もしかして実は凄く弱い?

「余は面白いものが見たいだけ、それに今お主の体を余の物にするほど呪力は持ち合わせておらん」

「なるほど、どっちみちそっちの負けってことね」

「今だけの話ぞ」

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作者名:天音 | 作成日時:2021年1月9日 19時

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