君がいてくれたから【オリジナル】 (ページ40)

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37:全ては気の持ちようページ40

病室から出ると、朝の光が体にあたり気持ちがいい。

私のいる部屋にはあまり日が差し込まないからだ。

今のところ気持ちもだいぶ落ち着いてきている。

また何か彼のことで気持ちが高ぶってしまっても今の自分ならきっと大丈夫だろう。

そんなことを考えながら歩いていると、中庭に着いた。

やはり天気もいいので沢山の人がいる。

少し先日あったことを考えてしまったが、深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

「大丈夫。今日はピアノを暇つぶしに弾きに来ただけ。」

そう自分に言い聞かせる。

ただ単純にピアノを弾くことを楽しもう。

その事だけを考えて、ピアノの椅子に座った。

今日弾くのはやはり彼の曲だ。

この曲は彼を探す為だけに前は弾いていたが、今は違う。

周りの人に聞いてもらうのだ。

自分の気持ちだけを考えるのではなく、相手を思う。

1番大切なことを忘れていたのだ。

さあ、今は楽しむことだけを考えよう。

私は演奏を始めた。