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29:微かな希望 ページ31
音のする方へ向かう途中普段使い慣れない松葉杖をつきながら歩くのはとても体力を使うようで大変だったが少しづつでも確実に進んでいた。
しかし、途中で演奏が止まってしまい、目的地が分からなくなってしまった。
どうしようかと迷っていると、病院の中庭のような所にピアノを見つけた。
これなら私が行かなくても向こうから気がついてくれるはず、そう思い、私はピアノのところに向かった。
近くの看護師の人に許可を得て、ピアノの椅子に座った。
一度しか弾いたことはなかったが、鮮明に覚えている。
私は深呼吸をして、鍵盤に手を置いた。
思い出すのは初めてあきり君に会った時のこと。
風に揺れる髪、私を見つめる瞳。
どんなに辛くても彼を想うだけで辛さが和らぐのだから不思議だ。
気持ちを穏やかにし、私はあきり君の曲を弾き始めた。
どうか、彼に届きますように。
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夜月 - コメント失礼します。凄く面白かったです。とても共感出来るところがあって、感動しました！ (2019年3月21日 5時) (
レス) id: 0c03e21e68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：・ωツカサ・ | 作成日時：2018年12月9日 17時
