一緒に居たい ページ48
Aside
「楓くん、ホントに奢ってもらってよかったの?」
森山「いいんだよ、俺から誘ったんだし」
「……そっか、ありがとう!」
そう言って私が笑えば、楓くんもニッと笑ってくれた。
ホント優しいなぁ、楓くんは。昔から、ずっと。
森山「じゃあ、行くか。こっちで合ってたよな?」
「へ?」
森山「もう遅いし、送ってく」
そう言って当たり前のように歩き出す楓くん。
そんな優しい楓くんが、私はどうしようもなく好きだったんだ……ずっと。
森山「お、見えてきたな」
「……楓くん、」
森山「ん?」
家が近付いてきて、咄嗟に楓くんの名前を呼んだ。
もう少し、もう少しだけだから……
「もう少しだけ……一緒に居たい、」
森山「……え、」
楓くんの服の裾を引いて、つい出てしまった私の本音に、驚いたように目を丸くする楓くん。
森山「……何か、あったのか?」
そんな楓くんの問い掛けに、私は首を横に振る。
楓くんが困っちゃうのは、よくわかってる。
だけど、言わないままだったら、きっとあの時みたいに後悔するから。
だから……ちゃんと、言いたい。
「私……楓くんのこと、好きだよ」
そう思ったら、いつの間にかそんな言葉を口にしていた。
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