いつも通り ページ42
Aside
奏「Aー、」
「はーい!」
吉川くんと飲みに行って数日後、あれからよく吉川くんに食事に誘われるようになったり、
藤岡ともあれから普通にまた飲みに行ったりもして。
いつも通り。そう、いつも通り平和な日々を送っていた。
「……はぁ、」
奏「あれ、Aがため息吐くなんて珍しいじゃん」
「え?あー、あはは……」
奏「何かあったの?」
「いえ、特には無いんですけど……」
そう、何も無いのだ……それも悲しいほどに。
認めることになっちゃうけど……この気持ちは、やっぱり楓くんが好きって気持ちなのかなぁ。
10年近く会ってなかった人なのに、いざ再会してしまえば、今の関係でも満足出来なくて、もっと会いたいなんて思ってしまう。
まさかこんな感情を持つようになるなんて……しかも同じ人に。
「重症だなぁ……」
森山「何が?」
「何がってそれは……わああっ!?」
声を掛けられて思わず振り向いたら、私の頭を埋め尽くしていた張本人がクスクスと笑っていた。
森山「驚かせた?ごめんな(笑)」
「あっ、いや、その……そ、それより、どうしてここに?」
何だか恥ずかしくって、話を逸らすために楓くんにそう問い掛けた。
森山「……Aに、会いに来た」
「……えっ?」
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