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フラフラ ページ41
吉川side
「楓は？」
森山「何が？」
「好きな子、居ないのか？」
森山「俺は居ない、だろ。ずっと、」
確かに、俺の知ってる限りじゃ、楓に好きな子なんて居たこと無い。
モテる割に彼女が居たのは1、2回だし、そんなに長続きしてない。
それを特に気にしてる様子もないから、多分、何となくで付き合ったんだと思う。
「なぁ、この前さ、Aちゃんのこと家まで送ったんだろ？」
森山「……そうだけど、」
「それは、どっちから？Aちゃん？楓？」
森山「何だよその浮気を疑う彼女みたいな質問、」
「うるせーなっ、いいだろ別に。で、どっち？」
森山「……俺だけど、」
だから、そんな楓がこんなに女の子のこと気にしてるのは珍しくて。
況してや心配で自分から家に送るなんて、そんな楓は見たことがない。
森山「てゆーか、名前……何で名前で呼んでんの」
「Aちゃんがいいって言ってくれたから。
楓も呼びたいんなら呼べばいいじゃん」
森山「誰も呼びたいなんて言ってないし、」
「え、じゃあ嫉妬？」
森山「ゲホッ！！そ、そんなわけっ…ゴホッゴホッ！」
俺がそう言うと、飲んでいたコーヒーが変なとこに入ったのか、楓はゴホゴホと咳き込んだ。
……俺が女の子のこと何て呼ぼうと気にしないくせに、Aちゃんのことは気になるのは、
もう恋なんじゃねーの？
でも、まぁ……
「なら俺のこと、応援してくれるよな？」
森山「……おぉ、」
そうやってフラフラしてんだったら、俺だって遠慮しないからな？
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