半々な気持ち ページ40
吉川side
「そういえばさ、」
森山「んー?」
「Aちゃんって良い子じゃんね」
森山「ブッ、」
Aちゃんと飲みに行った日の翌日、俺は休みだからと楓の家に転がり込んでいた。
まぁそんなのは建前で、楓の気持ちを聞いときたかっただけなんだけど。
ある程度の時間が経ってAちゃんの話を切り出すと、楓は優雅に飲んでいたコーヒーを吹き出した。
……コイツ、結構分かりやすいのな。
森山「ゲホッ、ゴホッ…え、お前っ、何で…ていうか、名前」
「この前偶々スーパーで会って、昨日飲みに行った。そこで聞いたんだよ」
俺がそう言うと、楓は「……へぇ、」と声を洩らした。
「興味無ぇの?」
森山「……別に、」
「そ、じゃあ俺狙おうかなー、Aちゃん」
森山「はっ?」
俯いてさっき吹き出したコーヒーを拭いていた楓が、やっとこっちを見た。
楓の瞳はユラユラと揺れていて、動揺してるのがよく分かる。
「良い子だし、優しいし、可愛いし。いいなーって思って」
森山「……ふーん、」
「いいと思う?」
森山「……それは、お前が決めることだろ、」
冗談半分、本気半分。
まだ会ってそんなに経ってないし、好きになるつもりはないけど、
ホットレモンを貰ったとき、少しドキッとしたのは事実。
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