不信感 ページ36
吉川side
試してた、なんて言ったら大袈裟かもしれないけど、Aさんのことを探ってたのは確かで。
天然っぽいとは思ってたけど、どうやらただの天然ではないようだ。
「そっか〜、ははっ、それはごめんね」
A「あ……いえ、」
俺が不信感を無くしたのが分かったのか、少し目を丸くさせるAさん。
「アイツさ、顔は良いし、性格も悪くないから面食いの女子とか結構寄ってくるんだよね。だからちょっとAさんのこと疑ってた。
けど、大丈夫みたいだ。Aさんは」
A「え……」
「アイツが女の子と仲良くすんの珍しいし、どんな女の子かなーって気になってたんだけど……心配無かったみたい」
そう言ったら、何だか少しだけ嬉しそうに頬を緩めるAさんに、俺も自然と笑みを浮かべた。
この子は、純粋で、素直で、優しくて、明るい女の子。
どうやらそれは間違い無いみたい。
A「ふふ、吉川くんは友達思いなんですね」
そう言ってまた嬉しそうに笑うAさんに、俺は「え、」と声を洩らした。
A「よかったです、楓くんが素敵なお友達を持ったみたいで」
酔ってるのか何なのか、さっきよりふわふわしているAさんに、俺は思わず口を開いた。
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