勘違い ページ28
Aside
森山「……追いかけないでいいの?」
「……えっ?」
楓くんが真剣な目でそんなことを言う。
私はそんな彼の言葉に戸惑うことしかできなかった。
森山「俺とはまた会えるけど、彼には勘違いされたままになる。そんなの嫌だろ?」
「……」
嫌、か……やっぱり、そうだよね……楓くんが私のことを好きなわけない。
なのに、私……
「……分かった、行ってくるね」
そう言って私は楓くんと別れ、藤岡を追いかけた。
こんなの、きっと蒼依達には怒られるけど、やっぱり藤岡のこともほっとけない。
あんなに悲しそうな顔をした藤岡を忘れて居られるほど、私は器用じゃない……
そんなことを考えながら、私はこの前教えてもらった藤岡の家まで急いだ。
ヒールで走ったから足も赤くなってて、ズキズキと痛み出した。
それを我慢して藤岡の家に着いて、インターホンを押した。
「藤岡っ!私です、Aです」
藤岡「……A?なんで、」
「ちゃんと、話させて。お願い……」
私がそう言ったら、少しして玄関のドアがガチャッと開いた。
藤岡「……取り敢えず、入って」
「……うん、」
そう言って私は藤岡の家に招き入れられた。
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