熱くなる体 ページ19
Aside
森山「あの、嫌がってるじゃないですか」
男「……は?」
「楓くっ……」
突然現れた楓くんは、そのまま私の腕をグッと引っ張って私を立たせた。
そのまま優しく手を繋がれて、「行こ?」と歩き出した。
森山「あ、あと、この子俺の彼女なんで、手ぇ出さないでくださいね?」
そう言ってニコッと笑って、私を連れて店の外に出た。
私が酔いが回る頭でこの状況をグルグルと考えていると、楓くんがパッと此方を向いた。
森山「大丈夫だった?」
「あ、え、う、うん……」
森山「ごめんな、突然……でも困ってるみたいだったから」
そう言って申し訳なさそうに謝る楓くん。
そんな楓くんを見てたら一気に安心しちゃって、ポロポロと涙が溢れ出した。
森山「……怖かった?よな。ごめんな、すぐ助けられなくて……」
そう言って私のことを心配そうに見てくれる彼に、楓くんのせいじゃない、そう言わなきゃ……と思った途端、頭がクラッとして体が傾いた。
森山「わっ、えっ、A!?」
「あ、ごめ……」
楓くんに抱き止められて、なんとか倒れずに済んだ。
そして、初めての温もりに心臓がバクバクと音を立てる。
触れられてるところが熱いと感じるのは、お酒のせい?それとも……
森山「……家、どこ?」
「へ……?」
森山「送る。行こう」
そう言って楓くんはタクシーを捕まえて、私を優しく座席に座らせて自分も乗り込んだ。
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