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店長と外の様子を見ながら話していると店内に電話の音が鳴り響き店長が受話器をとる
「伊崎様キャンセルっぽいな」
「そうですね……」
「キャンセルなら彼に入ってもらう?」
「彼、ですか?」
頭を拭きながら戻ってきた瑛くんはイタズラっ子の様な笑みを浮かべながら扉の方を指指す。そこには学ラン姿の1人の背の高い男の子が激しさを増す空を見上げていた
「ここ、ちょっと中心から外れてっから他で雨宿りは無理じゃね?店ねーし」
「…そうですね。店長に確認「なぁに?2人して外なんか見て何の話?」っ!…びっくりしたぁ!」
「あらヤダ。ごめんなさいね?」
「伊崎様キャンセルっすか?」
「え?えぇ、なんでも「クルミお嬢様の御御足を汚すなど…」ですって。お代は後日支払いに来るそうよ「瑛くんの大切な時間を粗末にしてしまったお詫びに」ですって。モテモテね瑛ちゃん」
「あ、ははは…」
「「(流石金持ち…)」」
それで?と話を戻す店長に私と瑛くんで先ほどのやり取りを伝えると、店長も外にいる男の子に視線をむけた
「あら、これは…随分と大物ね」
「っすよね。俺もナマでははじめて見るっす」
「大物??」
二人のやり取りについて行けず困っていると店長がニッコリと笑う
「瑛ちゃんは控室からタオル持って来て、里沙ちゃんはひざ掛けを持って、お客様をお招きして頂戴。お客様のお名前は
山田一郎様よ」
店長の一声に「「はい」」と返し瑛くんと2人、お客様をお迎えする準備に取りかかる。私は吸水性に優れたブランケットと瑛くんが持ってきたタオルを片手に扉を開く。ドアベルの優しい音色に気付いたのか男の子がこちらを向いた瞬間綺麗な赤と緑の瞳と視線がぶつかる
「あ?・・・・・・」
「あ…。まだ雨やみそうにないので、宜しければ店内で雨宿りされませんか?」
これが彼と私のはじまりのトキ
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作者名:陽翔 穂香 | 作成日時:2018年9月15日 20時