６ｰ５,見つけた星、見つけた気持ち ページ48
いつもは女の子扱いなんてしてこないくせに……ずるいよ。
上着に残ったオッパの温もりと香りに包まれて、色々な意味で体の温度が上がっていくのを感じる。
『あったかい……です、ありがとうございます』
ジン｢どういたしまして｣
家から10分ほど歩くと目の前に丘が見えてきて、少し息を切らせながら二人でそれを登った。
周りの建物より高い位置まで来て風を遮るものが無くなり、より一層寒さを感じる。
展望台に到着すると、そこには息を飲むような美しい星空が広がっていた。
『オッパ！あれ、見てください！ゆっくり動いてる！』
ジン｢おー、人工衛星だな。｣
『綺麗ですね………』
空を見上げて無意識にそう呟いてしまうほどの満天の星。
急に何も話さなくなった隣のオッパも、きっとこの光景に見惚れているのだろう。
『まるで現実とは違う場所に来たみたいですね』
星空から目を離さずに、オッパに再びそう話しかける。
『あっ、そういえば彗星！どこですかね！』
ジン｢……｣
『オッパ…？』
ジン｢…えっ？！あぁ、彗星な、確か北西に…｣
返答のない彼を不思議に思いそちらを見ると、一瞬目が合ってから我に返ったように目を見開いたオッパは、慌てて彗星を探し始めた。
……今のは、なんだったんだろう。
ジン｢お！あったあった！○○、こっち！｣
『えっ…』
そう言って自然と私の手を取り、彗星の方向を向かせる彼。
意識が触れた手の平ばかりに行ってしまって、正直彗星どころではなくなってしまう。
ジン｢見つけたか…？｣
『えっ、あぁっ』
彼の声に私は慌てて再び星空に意識を向け、彼が見つけたという彗星を探した。
『あ！見つけました！
………綺麗ですね』
ジン｢案外ハッキリと見えるんだな……｣
空を美しく舞う彗星。
その後しばらく、ほとんど無言で星空を眺めてから、私たちは帰路に着いた。
『今日、本当に来れてよかったです。
ありがとうございます……連れてきてくれて。』
ジン｢オッパも見たかったから、お礼はいいの。｣
『ふふっ……でも、ありがとうございます』
ジン｢はいはい｣
“寒いから”と言って何故か繋いだままの手を揺らしながら歩く、家までの道。
このまま着かなくてもいいのに、なんて考える。
ジン｢あっ！望遠鏡使うの忘れてた！｣
私はオッパのそんなところもどうしようもなく……
好きだよ。
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なーさ(プロフ) - 月花さん» わぁ！嬉しいコメントありがとうございます！そう言ってくださると励みになります……毎日更新を心がけているので、頑張りますね！今後とも｢君の願いを叶えてあげる｣をよろしくお願い致します！ (2021年6月18日 23時) (
レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - このお話好きです！更新頑張って下さい！ (2021年6月18日 22時) (レス) id: 648d58e66d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なーさ | 作成日時：2021年6月16日 0時
