第１章ｰ１,緑に宿る美しい彼 ページ5
今日は土曜日。
一週間のうちで、私が1番好きな日。
だって今日も明日も、学校に行かなくて済むんだから。
『あついなぁ……』
梅雨も明けて天気が良かったから、今日は久しぶりに散歩に出かけてみた。
でも思ったよりも日差しが強くて、私はパーカーのフードを深く被ってポケットに手を突っ込む。
ｼﾞｬﾗ………
ポケットの中の複数の異物と手がぶつかった。
私は昨日の不思議な出来事を思い出し、適当にその異物の中の一つを取り出す。
透き通った、夏の青葉のような緑色。
『本当に願い事……叶うのかな……』
昨日出会った不思議なイケメン、ジンオッパは、インチキ臭い“魔法の宝石”とやらを6つ渡すと、いつの間にか居なくなってしまった。
“宝石を一つだけ両手で強く握りしめて……助けてって心の底から叫ぶんだ”
『そんなアバウトなこと言われても……』
そう呟いた時、強い風が吹いて、私の頭上にあった桜の木の葉がｻﾞｰｯと音を立てて揺れた。
『さくら…………おばあちゃん』
おばあちゃんは桜餅が好きだった。
私がまだ幼い頃、庭の桜の木の葉を使ってよく桜餅を作ってくれていたっけ。
『おばあちゃん……会いたいよ……』
両親がいなかった私はずっと一人だった。
大好きなおばあちゃんが亡くなってからずっと。
急に寂しさに襲われて、そんな気持ちを紛らわすように、私は持っていた緑の宝石を両手でギュッと握りしめた……
？｢お呼びですかぁー？可愛いお嬢さん♪｣
『っ？！へぇ？！』
何の前触れもなく目の前に現れた謎の男に、私は驚きのあまりまぬけな声を出す。
？｢なんでそんなに驚くんだよぉー。自分で呼んだくせにぃ。｣
訳の分からないことを言って、ｼﾞﾄｰｯと私を見つめてくる謎の………イケメン。
『………は？何言って………というか、どちら様？』
？｢はっ…！まだ名乗っていなかったよね！
…………僕はテヒョン。緑の宝石に宿る妖精さ！｣
『て、てひょん？………よ、妖精？！』
テヒョン｢あれー？ジンヒョンから何も聞いてないのぉー？
……もぉー、あのヒョンったらほんっとテキトーなんだからぁ。｣
『ほ、ほう？』
テヒョン｢まぁ、とりあえずいいよ！テテって呼んで！よろしくね、お嬢さん♪｣
そう言ってヘヘッと笑うテテ。
金色に透き通った髪は、まさに妖精のように美しかった。
テヒョン｢で、お嬢さん！……君の願いは？｣
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なーさ(プロフ) - 月花さん» わぁ！嬉しいコメントありがとうございます！そう言ってくださると励みになります……毎日更新を心がけているので、頑張りますね！今後とも｢君の願いを叶えてあげる｣をよろしくお願い致します！ (2021年6月18日 23時) (
レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - このお話好きです！更新頑張って下さい！ (2021年6月18日 22時) (レス) id: 648d58e66d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なーさ | 作成日時：2021年6月16日 0時
