４ｰ２,笑顔の魔法【ジン視点】 ページ31
麗子｢でもね………○○がもし、誰かの幸せのために不幸になったとしても、自分の幸せのために誰かが不幸になったとしても………
○○のその可愛い笑顔を、忘れちゃいけないよ｣
『えがお？』
麗子｢うん！そう、笑顔！
○○はこれから、たくさんのことを経験すると思う。幸せなことも、辛いこともたくさんね。
でも、いつでも笑顔でいたら………幸せそうに笑っていたらね？……○○も、○○の大切な人も、みんな幸せになれるのよ。
笑顔は1番の魔法なの。｣
そう言ってにっこりと○○に笑いかけた彼女は、僕が出会った時の彼女と何も変わっていなかった。
いつも笑顔で前向きな………周りを幸せにできる素敵な人。
でも○○をまっすぐ見つめる彼女の目は、どことなく潤んでいるような気がした。
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ジン｢…………は？……余命？｣
麗子｢うん、私あと3ヶ月で死んじゃうみたい｣
そう言って、まるで他人事のように笑う彼女。
ジン｢っ………笑い事じゃないだろ。いつからわかってたんだよ、それ。｣
麗子｢もうー、そんな怒んないでよ。私もこの前の定期検診で知ったの。｣
ジン｢そんな………なんで急に………ここ数年は病状が落ち着いてたじゃないか…！｣
麗子｢……ごめんね。驚くよね。
でもまぁ50近く生きられたんだから……私は満足よ。｣
どうして……どうしていつも君はそうやって……
ジン｢もっと……自分を大切にしてくれよ……｣
麗子｢え…？｣
ジン｢君はもっと……もっと幸せになっていい人なのに……｣
麗子｢…｣
ジン｢僕は……麗子さんの幸せだけを願って今までっ……｣
そう言って彼女の目の前で泣き崩れる僕。
本当に泣きたいのはきっと彼女の方なのに、お門違いにも程がある。
麗子｢ジン………ありがとう。でもね、私は充分幸せだよ。｣
ジン｢え…？｣
麗子｢いつもそばに○○が居てくれて、ジンが居てくれて。いつも笑顔でいられる。｣
ジン｢麗子さん…｣
麗子｢私は世界で一番の幸せ者だね！｣
そう言って僕に向けられたその笑顔に、嘘などこれっぽっちも感じられなかった。
そして無情にも3ヶ月はあっという間に経ち……
麗子｢………はぁっ………はぁ｣
ジン｢麗子さん…！！しっかりしてよ……！！｣
麗子｢だい…じょうぶ……｣
ジン｢っ……やっぱり、僕の魔法で…！｣
麗子｢………私はいいの。その代わり……｣
４ｰ３，春の日【ジン視点】→←第４章ｰ１,君のおばあちゃんの話【ジン視点】
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なーさ(プロフ) - 月花さん» わぁ！嬉しいコメントありがとうございます！そう言ってくださると励みになります……毎日更新を心がけているので、頑張りますね！今後とも｢君の願いを叶えてあげる｣をよろしくお願い致します！ (2021年6月18日 23時) (
レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - このお話好きです！更新頑張って下さい！ (2021年6月18日 22時) (レス) id: 648d58e66d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なーさ | 作成日時：2021年6月16日 0時
