番外編,ジンヒョンとテテ【ジン視点】 ページ20
｢ただいまぁー｣
僕が人間界から帰ってくると、部屋の隅で壁に向かってしゃがみこんでいるテヒョンが目に入る。
その悲しみが溢れ出るような後ろ姿に、僕はあえて明るく声をかけた。
｢ヤー、テヒョンア！そんなところで何やってるんだ？｣
テヒョン｢…あぁ、じんひょん。おかえりぃ。｣
声をかけたことでやっと僕の存在に気づいたらしいテヒョンが、パッとこちらを振り向く。
その少し微笑んだような表情は、思っていたよりも柔らかかった。
“あんなこと”があった後だ。
かなり落ち込んでいるだろうと予測していたけど、案外立ち直っているらしい。
ふとテヒョンの手元に目をやると、1枚の栞を大事そうに握りしめていた。
｢どうしたんだ？その栞。｣
テヒョン｢これね、○○がぼくに作ってくれたの。｣
｢おー、それは良かったな｣
テヒョン｢一緒に葉っぱだけのサクラを見に行った時にね、ぼくの頭の上に落ちてきたサクラの葉を栞にしてくれたんだ。
…………○○ね？サクラが大好きなの。｣
｢…………そうか。｣
いつだったか、僕の大切な人も｢サクラが好きだ｣と言っていた。
○○のサクラ好きは、あの人の影響だろうか。
テヒョン｢…………ねぇ、じんひょん。｣
｢うん？｣
テヒョン｢ぼくね？……○○のことを考えると、胸の奥がギュッて痛くなるんだ。｣
｢…｣
テヒョン｢くるしくて、あいたくて、しかたなくなるの。…………これってなんなのかなぁ？｣
｢テヒョンアそれは……｣
テヒョン｢？｣
テヒョンアそれは、恋だよ。
そう言いかけて、伝えてしまうと彼を傷つける気がして言うのをやめる。
テヒョン｢じんひょん、○○笑ってた？｣
｢え？｣
テヒョン｢タタが元気になって、喜んでた？｣
｢……あぁ、すごく喜んでたよ。笑ってた。｣
テヒョン｢…そっかぁ。
……ぼくね、とってもくるしいけど、○○が笑ってるなら幸せなんだ。
……ふしぎだよね、これってなんなんだろう…？｣
テヒョンア、それは…
｢愛だよ。｣
テヒョン｢あい…？｣
｢○○のことが大好きで大切ってこと｣
テヒョン｢そっかぁ！…ぼく、○○のこと大好きで大切だよ！世界でいっちばん！｣
そう言って無邪気に笑うテヒョンに、お門違いだが目頭が熱くなった。
テヒョン｢じんひょん泣いてるの？｣
ジン｢一番はヒョンじゃないんだな｣
テヒョン｢ふふ、じんひょんもいちばんだよ｣
第３章ｰ１,水色に宿る紳士→←２ｰ５,ぼっちバースデートゥーミー
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なーさ(プロフ) - 月花さん» わぁ！嬉しいコメントありがとうございます！そう言ってくださると励みになります……毎日更新を心がけているので、頑張りますね！今後とも｢君の願いを叶えてあげる｣をよろしくお願い致します！ (2021年6月18日 23時) (
レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - このお話好きです！更新頑張って下さい！ (2021年6月18日 22時) (レス) id: 648d58e66d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なーさ | 作成日時：2021年6月16日 0時
