１ｰ９,最初の願い ページ13
テヒョン｢っ？！…………タタ？！？！｣
悲鳴に近い声でそう叫んだテテは、硬いアスファルトの上に叩きつけられた小さくて赤い“それ”に駆け寄る。
突然の出来事に立ち尽くしていた私も、彼の叫び声で我に返り後を追った。
テヒョン｢タタ…！！しっかりして…！！
しんじゃいやだよ…！！｣
血を流しながらビクビクと痙攣するタタ。
タタは撥ねられたのだ。
止まる素振りすら見せなかった黒い車に、私たちの目の前で。
テヒョン｢タタ…！！……○○…………ど、どうしよう………タタがぁ………っ！！｣
もがき苦しむタタを見てパニックになり泣き出すテテ。
今にも失われそうな小さな命を目の前にした私に、迷いなどなかった。
『………………テテ。お願いごと、使おう。』
テヒョン｢…………え？｣
『タタの怪我を治すの……！！テテなら出来るでしょ？！』
テヒョン｢で、でも……！！｣
『早く！！タタが苦しんでる！！
………テテの大切な存在でしょ！！』
テヒョン｢○○………｣
俯いて少しの間黙り込むテテ。
テヒョン｢ほんとにお願いごと………使っていいの？｣
『いいの。私もタタが大切だから。』
そうハッキリ伝えると、決心がついたようにテテはこちらに向き直った。
テヒョン｢○○……目を瞑って。
そして、緑の宝石を………僕を強く抱きしめて、“タタを助けて”って強くお願いして。｣
『わかった…』
綺麗な瞳を揺らしながらそう伝えるテテ。
言われた通り両手を広げ抱きしめようとすると、それを阻むようにテテが私の手をぎゅっと握る。
テヒョン｢○○……………
………ぼくのこと、ずっと大好きでいてくれる？｣
『……え？……………もちろんだよ。大好き。』
こんな状況で、急にそんなことを聞いてくるテテ。
もちろん大好きに決まってる。
ずっとずっと大好きだよ。
私の大好きで大切なテテ。
“そっか”と微笑むと、テテは私の手をゆっくりと離した。
私はもう一度両手を広げ、テテを強く抱きしめて、目を閉じる。
そして、“タタを助けて”と強く願った。
その瞬間、唇に温かくて柔らかいものが触れる。
目を開けると、そこにはちょこんと座ってこちらを見つめる白い子猫と、真ん中で綺麗に二つに割れた、緑の宝石があった。
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なーさ(プロフ) - 月花さん» わぁ！嬉しいコメントありがとうございます！そう言ってくださると励みになります……毎日更新を心がけているので、頑張りますね！今後とも｢君の願いを叶えてあげる｣をよろしくお願い致します！ (2021年6月18日 23時) (
レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - このお話好きです！更新頑張って下さい！ (2021年6月18日 22時) (レス) id: 648d58e66d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なーさ | 作成日時：2021年6月16日 0時
