君の願いを叶えてあげる２【BTS】[完]

７ｰ６,忘れたくないこと ページ6

ホソク｢やっぱり………結構痛そうじゃん。
………しかも何も手当てしてない。｣


『……。』


ホソク｢ダメだよ？傷痕残ったらどうするの？｣


『…大丈夫ですよ』


ホソク｢……僕が大丈夫じゃない。｣


『え？』





そう言うと、ホソクさんはそっと私の肩に顔を寄せた。





ﾁｭｯ……





『っ？！何してるんですか？！』


ホソク｢……手当て？｣


『…へ？』


ホソク｢怪我が早く治りますようにって、おまじない。｣


『何ですかそれ……』





少し照れたように笑った彼は、“おやすみ”と言い逃げをして目を閉じた。


本当に彼は、ずるくて愛おしい。


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ホソク｢………願い事、使わないか？｣





そう彼が提案してきたのは、事件があった次の日の朝だった。





『願い事……？』


ホソク｢ほら………ジンヒョンから聞いてるでしょ？なんでも願いを叶えてくれるって。｣


『はい……』


ホソク｢僕、心配なんだよ。○○がまたいつアイツに襲われるかって思うと……｣





弱々しくそう呟いたホソクさんは、今にも泣き出しそうな顔をしていた。


今彼にそんな顔をさせてしまっているのは私なんだよな……


そう思うと、とても心が苦しくなる。





ホソク｢僕の力なら…………アイツの存在自体を消すこともできる。｣


『えっ……』


ホソク｢……………わかってるよ、○○は優しいからそれは心が痛むよね。｣





そう言って微笑みながら私の頭を優しく撫でてくれるホソクさん。


私の心情まで推し量ってくれる、本当にどこまでも気遣いのできる優しい人だ。





ホソク｢……だからさ、記憶を消すってのはどうかな？｣


『記憶を……？』


ホソク｢そう。アイツの中の○○に関する記憶を消すんだよ。｣





“アイツ自体を消すわけじゃない、これなら大丈夫でしょ？”と私に尋ねる彼。


確かに……殺すわけではないけれど……





『それって………すごく悲しいことじゃないですかね』


ホソク｢…え？｣


『自意識過剰なのも綺麗事なのもわかってます。

……でも…………好きな人を忘れてしまうって、すごく残酷なことだと思うんです。』


ホソク｢○○……｣





誰にだって、絶対に忘れたくない感情がある。


それはきっと、彼も一緒だと思うから。





『大丈夫！悠太は本当はすごく良い奴なんです。話せばきっと、前みたいに戻れます。』


ホソク｢………わかったよ。

…でも約束して？｣

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