9ー4,天使と悪魔 ページ21
ジミン「はいっ」
そう言って自分の寝ている布団を開いて、ポンポンと隣を叩くジミン。
『へ?』
ジミン「おいで?」
『?!』
普段は幼くて可愛らしいのに、急に色気を放ちながら微笑みかけてくる彼。
……え?同一人物ですか?
私は驚きのあまりその場で固まる。
ジミン「……もぅ、遅いっ」
グイッ
『うわぁっ!』
小柄な体からは想像出来ない強い力で腕を引かれ、思わず彼の布団に飛び込んだ。
そんな私を受け止めるように、優しく抱きしめてくれる彼。
ジミン「ふふ……○○ちゃん温かい。」
『……やっぱり寒かったんだ』
ジミン「え?」
『寝る時に寒くて、だから一緒に寝たかったんでしょ?』
ジミン「……ちがうよっ」
『え?…じゃあなんで?』
ジミン「………うるさーい。おやすみぃー。」
そう言うと目を瞑ってしまったジミン。
そんな彼の頬は、ほんのりと赤く染っていた。
今日はたくさん動いたし……疲れたな。
だんだんと睡魔が襲ってきて、私はそれに意識を委ねる。
なんとなく気づいていた、彼の私への気持ち。
けれど、見て見ぬふりをしていた。
それを感じながらも、彼の腕の中で別の人を想う私は、本当の意味で悪魔なのかもしれない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『……んぅー………』
窓から差し込んだ朝日の眩しさで目を覚ます。
いつもなら考え事をしてしまって眠れなくなるのがお決まりなんだけど、今日はジミンが一緒に居てくれたお陰でぐっすり眠れたらしい。
ジミン「…おきた?おはよう」
『ん…おはよ。もう起きてたんだね』
ジミン「うん…」
そう答えたジミンの目はまだ眠そうで……というか、あまりぐっすりと眠れなかったような顔をしていた。
目の下にうっすらとクマが出来ている。
『……私、寝相悪かったかな?ちゃんと眠れた?』
ジミン「へ?……大丈夫だよ?なんで?」
『寝不足の顔してる。』
ジミン「あぁ……○○ちゃんが隣に居たから嬉しくなっちゃって、ちゃんと眠れてなかったのかも」
へへっといつものように目を垂れさせて笑ったジミンは、どこか空元気なように見えた。
でも、あえてそれを追求するのはやめておく。
誰にだって、そっとしておいて欲しいことはあると思うから。
『今日からまた学校かぁ…』
ジミン「行きたくないの…?」
『ううん、今はもう平気』
ジミン「そっか」
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なーさ(プロフ) - Chocoさん» コメントありがとうございます!感動していただけたようで、とても嬉しいです…。温かいお言葉をありがとうございます!今後の作品も応援していただけると嬉しいです! (2023年4月1日 8時) (レス) @page49 id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
Choco(プロフ) - こんばんわ、初コメ失礼します!なーささんの作品を読ませてもらい、ホントに恥ずかしいですが泣いてしまいました…。素敵な作品を作って下さりありがとうございます!!なーささんの作品とても大好きです! (2023年4月1日 1時) (レス) id: 59651d7816 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - あんにょんさんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです…励みになります(泣)これからも更新頑張りますね! (2023年2月10日 0時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
あんにょんさん(プロフ) - もう、ほんと、神作品すぎます…!いっそドラマ化してほしいくらいです笑 応援しています!! (2023年2月9日 15時) (レス) id: 999eb198b5 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます!尊敬だなんて……私にはもったいないお言葉です。(泣)これからもこまめな投稿を心掛けて頑張りますので、よろしくお願いいたします! (2021年7月13日 23時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なーさ | 作成日時:2021年6月15日 23時