第７章ｰ１,赤い希望の光 ページ1
天体観測から数週間。
正直、私の頭の中は彼のことでいっぱいだ。
見つけてしまった…………気持ちの名前。
これ以上、見て見ぬふりをするのは厳しそうだった。
でもだからといって、この気持ちを伝えるような事はしない。
私は今の関係が好きだから。幸せだから。
欲張りすぎると、全てを失ってしまうかもしれないでしょう？
『……タタぁ、ジンオッパいなくて寂しいね？』
一番そう思っているのは自分な癖に、その気持ちを無抵抗で小さな猫に擦り付ける。
ジンオッパは彗星を見に行った次の日の朝、また例のように置き手紙を残して姿を消していた。
“用事があるので、一度帰ります。暖かくして過ごすように。”
雑な文字でそう書かれた小さな紙を、捨てられずにそっと机の引き出しにしまった私は相当だ。
ーーーーーーーーーーーーーー
彩｢じゃ！また明日ね！｣
『うん！ばいばーい。』
いつも通りの帰り道。
いつものように近所のコンビニの前で手を振ると、私と彩は分かれ道に沿って反対方向に歩き出した。
彩｢○○ー！｣
後ろから大声でそう呼び止められて振り返ると、彩がこちらを見ながら悪戯っぽく笑う。
彩｢呼んだだけー！｣
『なにそれ笑』
彩｢またね！｣
満足した様子の彩は再び彼女の進行方向を向くと、それからはもう振り返らずに歩いていった。
私もそれを確認して、再び歩き出す。
秋が近づいて来た帰り道は少し肌寒くて、放課後の時間にもなると外は薄暗くなっていた。
特に何って訳じゃないが、そんな1人になった後の帰路は少し寂しくて、怖さを感じたりもする。
私は心做しか足早に家へと急いだ。
『…』
先程から、微妙に感じる背後からの視線。
敏感になりすぎているかもしれないが、度々振り返っては何も無いことを確認する。
…………でも、時々足音が二重に聞こえて、怖くなってまた振り返る。
誰かに………つけられてる？
家までは300メートルほど。
そんなに長い距離では無いのに、とても遠く感じる。
どんどん近づいて来るその気配は、確実に気の所為ではなかった。
『(こわい……助けて)』
咄嗟にポケットに手を突っ込んだ私は、無造作に1つの宝石を取り出す。
鬼気迫る、まるで今の私の心情を表すような赤い色。
力一杯握りしめると、強い光を放ったそれは、私の目を眩ませた。
？｢○○、もう大丈夫。｣
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なーさ(プロフ) - Chocoさん» コメントありがとうございます！感動していただけたようで、とても嬉しいです…。温かいお言葉をありがとうございます！今後の作品も応援していただけると嬉しいです！ (2023年4月1日 8時) (
レス) @page49 id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
Choco(プロフ) - こんばんわ、初コメ失礼します！なーささんの作品を読ませてもらい、ホントに恥ずかしいですが泣いてしまいました…。素敵な作品を作って下さりありがとうございます!!なーささんの作品とても大好きです！ (2023年4月1日 1時) (レス) id: 59651d7816 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - あんにょんさんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです…励みになります(泣)これからも更新頑張りますね！ (2023年2月10日 0時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
あんにょんさん(プロフ) - もう、ほんと、神作品すぎます…！いっそドラマ化してほしいくらいです笑 応援しています！！ (2023年2月9日 15時) (レス) id: 999eb198b5 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます！尊敬だなんて……私にはもったいないお言葉です。(泣)これからもこまめな投稿を心掛けて頑張りますので、よろしくお願いいたします！ (2021年7月13日 23時) (レス) id: 292eed826b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なーさ | 作成日時：2021年6月15日 23時
