14 ページ14
「嬉しいっ。ありがと、おーちゃん」
「うおっ」
私はおーちゃんに抱き着いた。
「それで？それでどうしたら潤は笑ってくれるようになる？」
「まぁ、落ち着けって」
おーちゃんの前に座らされる。
「お前が行って潤を笑わせてやればいい」
「え？潤のところに行けるの？」
「ふふん。俺はすげぇ天使のおーちゃんだからな」
「じゃー早く、今すぐ行く。おーちゃんお願い」
「A。ちゃんと話聞け」
いつもふわふわな優しいおーちゃんが、すごくまじめな顔で言ったから
私は「はい」と返事して、乗り出していた体を直して、おーちゃんの前に座った。
おーちゃんがよしよしと頭を撫でてくれた。
「いいか。お前は死んでる。生き返るわけじゃない。それは変わらない。だから潤の傍に行けるのは１年だけだ。１年たったらお前はここに戻ってくるんだ」
「１年・・」
「１年の間に潤を元気にするんだ。そんで、１年後お前がいなくなった時、もう悲しまないようにしてやらないといけない。・・できるか？」
「・・わかんない。でも、潤には笑っててほしい。だから絶対やる。絶対潤を笑顔にする」
「ん。潤に犬のAが死んだのは潤のせいじゃないって教えてやれ。」
「わかった」
「大事なこともう一個。潤に、お前が飼ってた犬のAだってことは言っちゃだめだ。天国から来たことも」
「え、ダメなの？」
「ダメ。言ったら罰を受けることになる」
「でも大丈夫。だって私、人間の言葉話せないもん」
「あ、言い忘れてたけど、向こうへ行くときお前は人間の姿だ」
「え？人間になれるの？」
「あぁ、そもそも下界旅行は、人間の姿で人間界を体験・修行するために行くものだからな」
「よくわかんない」
「んふふ。とにかく、人間の姿になる。Aは女の子だからやっぱ女か？歳は潤と同じくらいにしとくか。Aはかわいーから、人間だったらこんな感じかなー」
おーちゃんはぶつぶつ言いながら絵を描き始めた。
おーちゃんは歌だけじゃなくて絵も上手。
あっという間に絵が描きあがる。
「・・これ、私？」
それは、人間の女の子。
『Aが人間の女の子だったら、絶対俺の彼女にするのになぁ』
私、彼女になれる？
「あぁ。気に入らない？」
「いるっ。気に入るっ。おーちゃんすごーいっ」
「ふふん。俺はすげぇ天使のおーちゃんだからな」
「うんっ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちな(プロフ) - ayaさん» ayaさん、コメントありがとうございます。とても嬉しいです！期待に沿えるかわかりませんが、がんばりますので、これからもよろしくお願いします。 (2019年4月6日 7時) (
レス) id: 39df0fabf1 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - ちなさん、こんにちは！初コメです。まだ始まったばかりのこのお話ですが、ワクワクしながら読ませて頂きました。私もＪに飼われたい！続きも楽しみにしてますね^^ (2019年4月1日 12時) (レス) id: 09a0cb5a29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちな | 作成日時：2019年4月1日 0時
