君と僕を ページ29
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『どうしよ、…普通に出来るかな。』
朝起きて、あれだけ楽しみだった学校がすごく憂鬱に感じる。
絶対に北ちゃんと話すことになるし、私が知っていることを知らない北ちゃんに、普通に接することが出来るかすごく不安。
昨日、あの後壱馬とまこっちゃん家に戻って、改めてちゃんと話をした。北ちゃんの彼女の希望で周りには伏せてることや、彼女が合コンにいた事実をきちんと話すつもりだということも聞いた。
まこっちゃんはよほど思い詰めてたみたいで、私がごめんねと謝ると、うっすら涙を浮かべながらぎゅーっと力いっぱい私を抱き締めてくれた。
樹「大丈夫?」
『…うん、頑張る。』
慎「顔見るのは辛いよね。]
壱「まー、しんどかったら言えよ。イケメン幼馴染トリオが笑わせたるから。」
『出た。しかもみんなまで巻き込み始めた。』
壱「しゃーないやん、ほんまのことやもん。なあ?」
樹「まあ、残念だけどこればっかりはね。」
『ちょ、いっちゃんまで!?』
慎「俺達に罪はないもんね、親に言ってもらわないと。」
『…三人ともいつか周り敵だらけになるからね。』
好きな人に恋人がいると知ったらきっと誰しもみんな辛くて苦しいと思う。でも私には傍にいてくれる壱馬たちがいる。三人のお陰で他の人よりちょっとだけ、気持ちが楽になれた。
北「おはよ。」
『っ、おはよう。』
北「あれ、みんなは?」
『あ、今トイレ行ったよ。』
北「そっか。」
一人席に着き、どうにか普通に出来ますようにと自分自身に願っていると、いよいよ北ちゃんが登校してきてしまった。
大丈夫だったかな、おかしくなかったよね。一言二言しか交わしてないのに、流れる時間がやたら長く感じた。
壱「おー、北人。おはよ。ちょっとええ?」
北「おはよう、うん。」
教室に戻って来た壱馬が、北ちゃんを連れてまた教室を出て行った。まこっちゃんもいっちゃんも戻ってこないとってことはきっと、昨日のこと話すんだろうな。
北ちゃんが傷付き悲しむんじゃないかと、最初は北ちゃんの心配をした。でも、それが次第に自分対しての不安に変わり、もし北ちゃんが傷付いた表情で戻ってきたら、それだけ相手を想っていたんだと実感してしまうんじゃないかと怖くなった。
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作者名:noa | 作成日時:2021年2月22日 17時