君色に染まる【あいにの】 (ページ4)

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ピンクの花をもらってから、一か月くらいたった。

あの時は、6月の頭くらいで。
今は、7月。

相変わらず、平日は毎日相葉さんとおしゃべりしてから学校に行く。
そんな毎日を送っていた。

帰りは相葉さんのお店の前を通るのはいつも7時ごろだから閉まっていることが多い。

だけど今日は、お店の看板はCLOSEになっていて
前に出ているお花も全部かたずけられているんだけど、
お店の中がぼんやり明るくて…

まだお仕事中なの？
ってそっとガラスの向こうを見てみる。

夜にも相葉さんに会える日があるなんてって。
すこし心躍る思いで覗く。

そこには、確かに、いつもの明るいふわふわの髪の毛の相葉さんが見えたんだけど。

相葉さんのすぐ近くにふわふわの長い髪をした人が幸せそうに笑っていて…。

ちょっとぼんやりしちゃってたら、
相葉さんが少し首をかがめてその人にちゅって小さいキスをした。

その瞬間、僕の心がずんって重くなって。

これ以上見たくなくて。

頭は何も働かないのに、足は家に向かって駆け出していた。

家に帰ってもだれもいなくて、ベッドにダイブする。
もともと両親の帰りは遅く、一人っ子の僕。

相葉さんは甘えられる存在だから好きだったのかな？

お兄ちゃんみたいでうれしかったのかな？

でも、なんで相葉さんと、彼女さんを見ただけで、僕の目からは涙が止まらないんだろう？

今日はあいにく、金曜日。

月曜日から、僕は相葉さんのことをいままでどおりきらきらって思えるかなぁ。

彼女さん。かわいかったな。

二人でいると、きらきらしてた。

僕なんて、男だし。

なにこれ。僕、相葉さんのこと好きみたいじゃん。

やめよう。考えるのは。

だって。僕は男の子で。

相葉さんも男で。

だからそこに好きなんて思いはあるはずないんだもん。

だけどその夜は、僕の目から涙が止まることはなかった。