９７話 ページ47
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…は？
『…何か言ってよ』
「え、いや、だって…」
え？
「…不倫？」
『はぁ！？
そんなわけないでしょ！？』
「え！？
じゃあ、ジョングクとは別れたの！？」
『…うん』
「…どうして…？」
『…ジョングクは、
ずっと私の中にある気持ちに気づいていたみたい。
二人の中を引き裂いたのは自分だって…』
「あいつ…」
馬鹿だな。
そんなこと、言わなきゃわかんなかったのに。
『私の幸せのためだって』
「…」
俺達は揃いも揃って不器用過ぎるんだよな。
だけど、
皆が皆。
お互いの幸せを願っていた。
「…でもさ」
『何？まだ何かあるの？』
「いや。
離婚ってさ、そんなに簡単に出来るものなの？」
恐る恐るそう言った俺に、Aの表情は、怒りから心配そうなものに変わっていった。
『ソクジン、
何言ってるの？
私とジョングクは結婚してないよ？』
「…なんだって？」
…嘘だ。
そんなはずない。
だって、過去は何も変わっていないはずだから。
『ソクジンが言ったんじゃない。
結婚する時は、自分の許可を取れって』
「…ああ…」
言った。言ったけどそれは…
タイムリープした俺が言った、無かったことになっているはずの過去だ。
『ソクジンが全然認めてくなかったんじゃない。私達の結婚。
いい加減殴ってやろうかと思ってたよ』
くすりと笑ったAに、ぶわっと身体から力が抜けて、
あの物言う白猫の姿が脳裏に浮かんだ。
『ちょ…ソクジン？どうしたの？』
ふぅーっと長い溜息をついた俺の肩をAがちょっと！と揺さぶる。
ユンギ。あのおせっかい猫。
『ソクジン…っ』
それから、涙目になって怪我人を揺さぶる愛おしすぎる彼女の方へと視線を向ける。
良いのかな？
本当に伝えても良い？
今まで散々うまくいかなかったせいで身構えてしまう。
「A」
『…うん』
「俺も、Aのことが好きだよ」
「だから…、
今度こそ俺が、Aのことを幸せにしたい」
今にして思えば、
Aの幸せを願っていながら、随分遠回りしてしまったように思う。
『…うん。
一緒に幸せになろう』
俺たちのお互いの願いは、
いつだって重なっていたというのに。
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しのん。 - とっても面白かったです。こういうお話が書けるの本当に尊敬しまふ！お二人の作品はとても好きなので、お二人のコラボ作品と知って読んだら、明日朝早くからお仕事なのに、最後まで読み切ってしまいました！本当に面白かったです！また新作楽しみにしてます！ (2022年8月10日 4時) (
レス) @page49 id: 5420faf554 (このIDを非表示/違反報告)
KB - ミロさんとまゆう。さん、どっちも最高です!!! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 5f0961fe40 (このIDを非表示/違反報告)
coral(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました、ほんとに感動しました。是非またお二人のコラボ作品を出して頂きたいです！ (2021年9月7日 20時) (レス) id: 76a1fad787 (このIDを非表示/違反報告)
わたし。(プロフ) - 映画化してほしい。なってもおかしくない！ (2021年4月5日 17時) (レス) id: 373e34b3f9 (このIDを非表示/違反報告)
chi-(プロフ) - 涙目で霞みながら最後まで読みました。素晴らしかったです。ユンギもユンギっぽくてニヤけてしまった。グクのことを思うと辛いけどほんとに良いお話で読んで良かったです。ありがとうございました。 (2020年11月28日 19時) (レス) id: c1d012338f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：君色。
x他1人 | 作成日時：2020年8月13日 22時
