８８話 ページ38
『私の大好きな人…私はソクジンが大好きなの。』
その言葉を聞いたユンギさんは、にやりと口端を上げて笑った。
YG「だよな。」
全部この人にはお見通しだったのだろうか。
ソクジンが私に隠した想いも、私がずっと隠し続けてきた想いも。
YG「さっき、俺は無償では何もしないって言ったけど…お前らからにはずっと前に貸しを作ってるからな。」
『貸し？』
ユンギさんは私の頭にポンッと軽く手を置いた。
YG「もう、あいつは大丈夫だよ。」
『え？』
YG「まぁ、俺なんかに頼らなくても、あいつはお前が悲しむようなことしねぇよ。」
…良かった。
全身から一気に力が抜け、その場に崩れ落ちる。
私はソクジンを失わずに済んだ。
グクを失った時のようなあの苦しみを、もう一度味わうことなく、終わった。
ソクジンが、私の未来を変えてくれたんだ。
YG「ほら、早く行けよ。会いたいんだろ？あいつに。」
ユンギさんはしっしっと追い払うように私に向かって手を払う。
ほんっと、この人は。
『今度、イリコ持って来ますね。』
YG「おう。上等なやつをな。」
私は震える足に性根を入れ、もう一度立ち上がる。
早く、早く会いに行かなくちゃ。
ソクジンの顔を見るまでは安心できない。
ユンギさんを信じていないわけではないけれど、それでも、私は早くソクジンが生きている証拠がみたいんだ。
私は深々と頭を下げ、図書室を飛び出して病院へと戻る。
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しのん。 - とっても面白かったです。こういうお話が書けるの本当に尊敬しまふ！お二人の作品はとても好きなので、お二人のコラボ作品と知って読んだら、明日朝早くからお仕事なのに、最後まで読み切ってしまいました！本当に面白かったです！また新作楽しみにしてます！ (2022年8月10日 4時) (
レス) @page49 id: 5420faf554 (このIDを非表示/違反報告)
KB - ミロさんとまゆう。さん、どっちも最高です!!! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 5f0961fe40 (このIDを非表示/違反報告)
coral(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました、ほんとに感動しました。是非またお二人のコラボ作品を出して頂きたいです！ (2021年9月7日 20時) (レス) id: 76a1fad787 (このIDを非表示/違反報告)
わたし。(プロフ) - 映画化してほしい。なってもおかしくない！ (2021年4月5日 17時) (レス) id: 373e34b3f9 (このIDを非表示/違反報告)
chi-(プロフ) - 涙目で霞みながら最後まで読みました。素晴らしかったです。ユンギもユンギっぽくてニヤけてしまった。グクのことを思うと辛いけどほんとに良いお話で読んで良かったです。ありがとうございました。 (2020年11月28日 19時) (レス) id: c1d012338f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：君色。
x他1人 | 作成日時：2020年8月13日 22時
