８１話 ページ31
・
あの夏合宿の日から、Aは俺のことを避けるようになった。
それに反比例するようにジョングクとAの距離がぐんと近づいたように見えて、それだけで焦っていたのに…
あいつが現れてしまった。
＿＿イ・ジヨン。
映画研究会の講師としてやってきたこの女が、全ての不幸のはじまり。
５年後の未来で、ジョングクを殺した犯人。
部長の隣に立って綺麗に微笑む女を見て、今すぐ警察に突き出してやりたいと思ったけれど、現時点ではこの女は何の罪も犯していない。
ふと同じ教室内にいるAに目を向けると、憧れていた先生の登場に目を輝かせていた。
そりゃそうだ。Aはあの女の書いた趣味の悪い本が大好きだった。
何も知らなかった時の俺も、そんなAの様子を見て自分まで嬉しかったのを覚えている。
Aは俺もあいつのファンだと思っていたみたいだけど、本当は違う。
Aが好きだったから。
俺も好きなふりをしていた。
「A。あのさ、話が、」
『ごめん。グクが待ってるの。』
あいつは危険だとAに伝えたいのに、取り付く島もない。
Aは本格的にジョングクのことを優先することに決めたようだった。
だけど俺も、簡単に引き下がるわけにはいかない。
何度も何度もしつこく話しかけて、やっと話ができたのに。
『先生は悪い人じゃないよ。』
この大馬鹿者の頑固者は、いくら言ったって聞きやしない。
俺のことを嫌ったって良いとまで言ったのに。
ほんっとに、腹が立つ。
可愛くない。
まーじで可愛くない。
だけど、そんな馬鹿みたいにお人好しなAがやっぱり大切だから。
滅茶苦茶腹が立っても、嫌いにはなれないし、守りたくてしょうがない。
だから、俺はもうひとりの元へ向かうことにした。
・
「よ。」
JK「…ジンヒョン。」
大学近くのガソリンスタンドで働いていることを聞いていたから、場所はすぐに分かった。
外からでもすぐにわかる爽やかイケメン具合に苦笑しつつ声をかけると、俺を見て驚いたようにその丸い瞳をさらに大きく見開く。
変わったことはないかと聞くと、自覚はあったようですぐに険しい表情になったジョングク。
JK「今は、ヌナと離れるべきだと思うんです。」
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しのん。 - とっても面白かったです。こういうお話が書けるの本当に尊敬しまふ！お二人の作品はとても好きなので、お二人のコラボ作品と知って読んだら、明日朝早くからお仕事なのに、最後まで読み切ってしまいました！本当に面白かったです！また新作楽しみにしてます！ (2022年8月10日 4時) (
レス) @page49 id: 5420faf554 (このIDを非表示/違反報告)
KB - ミロさんとまゆう。さん、どっちも最高です!!! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 5f0961fe40 (このIDを非表示/違反報告)
coral(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました、ほんとに感動しました。是非またお二人のコラボ作品を出して頂きたいです！ (2021年9月7日 20時) (レス) id: 76a1fad787 (このIDを非表示/違反報告)
わたし。(プロフ) - 映画化してほしい。なってもおかしくない！ (2021年4月5日 17時) (レス) id: 373e34b3f9 (このIDを非表示/違反報告)
chi-(プロフ) - 涙目で霞みながら最後まで読みました。素晴らしかったです。ユンギもユンギっぽくてニヤけてしまった。グクのことを思うと辛いけどほんとに良いお話で読んで良かったです。ありがとうございました。 (2020年11月28日 19時) (レス) id: c1d012338f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：君色。
x他1人 | 作成日時：2020年8月13日 22時
