７７話 ページ27
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ひたすらに真っ暗な世界の中で、
チリン、チリンと、鈴の鳴る音だけがやけにはっきりと聞こえる。
はっきりと、どころか、
ちょっとうるさいくらい。
チリンチリンうるさい。
クリスマスかよ、なんだよ。
「あー、もうっ！！」
あまりのうるささに声を上げた瞬間、
自分の声で目を覚ました。
「…あ？」
見慣れた部屋。
あれ、俺さっきまで大学にいなかったか？
おかしい。
そう思いながら寝ていたベッドから起き上がると、やけに体が軽い。
やっぱりおかしい。
そう思って机の上に置かれていた鏡を覗き込むと…
「うわ！！
あ？え？」
そこには微妙に…若返ったような気がしないでもない自分の姿が映り込んでいた。
待て待て思い出せ。
さっき見た夢は夢じゃないのか？
Aと大学に行って…、白猫を追いかけた。
迷い込んだ図書室にいたあの変な男。
俺達はそいつに願いを言った。
過去に、戻りたいって…。
「嘘だろ…？」
もう一度、鏡の中に映る自分をまじまじと見つめる。
元々あんまり顔が変わらない方だからわからん。
一体、今の俺は、いつの…
「5年前だ。」
「…え？」
聞こえてきた低い声に、
部屋をきょろきょろと見渡してその声の出所を確かめる。
「ここだ。」
「うわっ！！」
もう一度聞こえた声に足元を見ると、真っ白の猫が仏頂面で俺のことを見上げていた。
「見下ろすんじゃねぇ。」
「そんなこと言ったって…。」
チッと舌打ちしたその猫は、ぴょんとタンスの上に飛び乗り、俺の頭より高い位置に行くと満足げに鼻を鳴らした。
「状況は理解したか？」
「なんか…そのフォルムにその声はちょっと俺嫌だな」
「そんなことはどうでもいい。
お前は今、5年前の体に中身だけ入り込んでる状態だ。」
「っていう夢？」
うわ、めっちゃ睨んできた。
でも信じられるわけないじゃん！！
「夢だと思うならそれでいい。」
「嘘嘘嘘！
信じるよ！…多分」
「…。
Aもお前と同じように過去の自分の体に入ったけれど、あいつは特殊なものを俺に預けたせいで、自分の状況を理解できてない。」
「…どういうこと？」
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しのん。 - とっても面白かったです。こういうお話が書けるの本当に尊敬しまふ！お二人の作品はとても好きなので、お二人のコラボ作品と知って読んだら、明日朝早くからお仕事なのに、最後まで読み切ってしまいました！本当に面白かったです！また新作楽しみにしてます！ (2022年8月10日 4時) (
レス) @page49 id: 5420faf554 (このIDを非表示/違反報告)
KB - ミロさんとまゆう。さん、どっちも最高です!!! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 5f0961fe40 (このIDを非表示/違反報告)
coral(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました、ほんとに感動しました。是非またお二人のコラボ作品を出して頂きたいです！ (2021年9月7日 20時) (レス) id: 76a1fad787 (このIDを非表示/違反報告)
わたし。(プロフ) - 映画化してほしい。なってもおかしくない！ (2021年4月5日 17時) (レス) id: 373e34b3f9 (このIDを非表示/違反報告)
chi-(プロフ) - 涙目で霞みながら最後まで読みました。素晴らしかったです。ユンギもユンギっぽくてニヤけてしまった。グクのことを思うと辛いけどほんとに良いお話で読んで良かったです。ありがとうございました。 (2020年11月28日 19時) (レス) id: c1d012338f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：君色。
x他1人 | 作成日時：2020年8月13日 22時
