７０話 ページ20
JN「俺にとって、Aは世界中の誰よりも大切で…愛おしい存在だよ。」
そんな、だって…今までそんなこと、一度だって言ってくれなかったじゃない。
私が告白した時だって、その後だって…。
いつだって、ソクジンは私のことを幼なじみって。
JN「…やっと言えた。」
嬉しそうに微笑んだ彼の瞳からは、透明で綺麗な雫が流れ落ちた。
そんな彼を見て、それを嘘だ！とか、なんで言ってくれなかったの？なんて言う気も起らない。
ただ、私だって、伝えたい。
『ソクジン、私も…』
ずっとソクジンのことが、
チリンッ…
今までで一番大きな音が鳴り響く。
JN「ユンギが呼んでる。もう時間だって。
ほら、行こう。」
ソクジンは私の手を引いて絵の前に立った。
『待って。私、ソクジンに言いたいことが、』
JN「じゃあ、それは未来で聞くよ。…未来で、ね。」
にっこり微笑むソクジン。
白猫の絵は白く眩しいほどに光り始め、その光が私とソクジンを飲み込んで、消えた。
ソクジン。
それはズルいんじゃない？
今更、私を好きだなんて言って。
私にも言わせてよ。
私だって、ソクジンのことを、ずっと…
‥‥‥‥‥‥‥―――――――――――――――
―――――――――――――――
―――――――――
―――
チリンッ
「ねぇ、ヌナ？」
名前を呼ばれ、ぱっと目が覚める。
目の前にあるのは、私を心配そうに見つめるグクの顔。
JK「ヌナ、泣いてる。」
グクが綺麗な指先で私の頬を伝う涙を拭ってくれる。
『あれ、私。』
JK「もう、起こしても起きないから焦ったよ。
ほら、駅についたよ。電車を降りよう。」
まだ夢見心地なままグクに手を引かれ、電車から降りる。
私、何の夢を見たんだっけ？
駅構外に出ると、眩しい日差しに目を細める。
JK「あっついですね。今年の夏も。」
『ほんと、暑いね。』
すでに、汗がじわりと滲んでいる。
JK「でも、僕、夏は嫌いじゃないです。
ヌナと付き合い始めたのも、夏でしたから。」
『そうだったね。』
そう、あの夏も溶けてしまいそうなほど暑かった。
JK「ヒョン、今迎えに来てるって。さっき連絡が来ました。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1885人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しのん。 - とっても面白かったです。こういうお話が書けるの本当に尊敬しまふ！お二人の作品はとても好きなので、お二人のコラボ作品と知って読んだら、明日朝早くからお仕事なのに、最後まで読み切ってしまいました！本当に面白かったです！また新作楽しみにしてます！ (2022年8月10日 4時) (
レス) @page49 id: 5420faf554 (このIDを非表示/違反報告)
KB - ミロさんとまゆう。さん、どっちも最高です!!! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 5f0961fe40 (このIDを非表示/違反報告)
coral(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました、ほんとに感動しました。是非またお二人のコラボ作品を出して頂きたいです！ (2021年9月7日 20時) (レス) id: 76a1fad787 (このIDを非表示/違反報告)
わたし。(プロフ) - 映画化してほしい。なってもおかしくない！ (2021年4月5日 17時) (レス) id: 373e34b3f9 (このIDを非表示/違反報告)
chi-(プロフ) - 涙目で霞みながら最後まで読みました。素晴らしかったです。ユンギもユンギっぽくてニヤけてしまった。グクのことを思うと辛いけどほんとに良いお話で読んで良かったです。ありがとうございました。 (2020年11月28日 19時) (レス) id: c1d012338f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：君色。
x他1人 | 作成日時：2020年8月13日 22時
