６１話 ページ11
JM「多目的室の鍵を持っていたのはジヨン先生だ。
僕もすっかり忘れてたけど、あの人僕たちが映像を見てる時に一回だけ席を立ったでしょ？」
『ああ…！』
確かに…！
仕事の電話があるって言って…。
私の馬鹿…、どうしてすぐ思い出さなかったの！
『あ…だけどそれで言えばジヨン先生も私も同じくらい怪しいんじゃ？』
HS「今日昨日知り合った先生とAとじゃ、どっちを信じるかなんて決まりきってるでしょ？
って…、俺が言えたことじゃないけど。」
JM「本当ですよ。」
『本当。』
すまん！と嘆くホソク部長にクスクスと笑う。
またこういう風にサークルの皆と笑いあえるなんて。
HS「とにかく今から先生の所に行こうと思うんだけど、Aは…？」
『私も行きます。』
こんなにも、人から明確な悪意を向けられることは初めてで、正直すごく怖い。
だけど、逃げちゃだめだ。今は逃げちゃいけない時。
ホソク部長とジミン君に続き、ドキドキしながら講師用の部屋に入る。
すると…、
HS「あれ…いない？」
『え？』
部屋はもぬけの殻で。
彼女の私物は残されていなかった。
HS「おかしいな。講師期間は秋までのはずだったのに。」
JM「だけどこれではっきりしましたね。逃げるってことは認めたも同然じゃないですか。」
HS「先生の個人事務所に連絡とってみるよ。」
ふと。
机の上に残された本の存在に気づく。
大好きだった先生の書いた本。
何の気なしにぺらぺらとめくると、そこに一枚の写真が挟んであって、それがひらひらと舞って足元に落ちる。
『…何だろ。
…っ』
拾い上げたその写真を見た瞬間、ゾクッと、全身に鳥肌が立った。
HS「事務所も先生と連絡とれないみたい…
って、A！？どこいくの！？」
JM「先輩！？」
呼び止める部長達の声を無視して部屋を飛び出す。
グクと見た映画。
あれは、主人公が恋敵を刺して終わりではなかった。
あの映画には描かれていないけれど、原作にはまだ続きがある。
主人公は相手の男性を思うあまり、いつしか男性の全てを手に入れたいと願うようになるんだ。
全て＿＿つまり、男性の命そのもの。
あのお話は、主人公が想い人を刺し殺したところで完結する。
さっきの写真は、私とソクジンのツーショット。
そこに映る私達二人の顔は、カッターでぐちゃぐちゃに引き裂かれていた。
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しのん。 - とっても面白かったです。こういうお話が書けるの本当に尊敬しまふ！お二人の作品はとても好きなので、お二人のコラボ作品と知って読んだら、明日朝早くからお仕事なのに、最後まで読み切ってしまいました！本当に面白かったです！また新作楽しみにしてます！ (2022年8月10日 4時) (
レス) @page49 id: 5420faf554 (このIDを非表示/違反報告)
KB - ミロさんとまゆう。さん、どっちも最高です!!! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 5f0961fe40 (このIDを非表示/違反報告)
coral(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました、ほんとに感動しました。是非またお二人のコラボ作品を出して頂きたいです！ (2021年9月7日 20時) (レス) id: 76a1fad787 (このIDを非表示/違反報告)
わたし。(プロフ) - 映画化してほしい。なってもおかしくない！ (2021年4月5日 17時) (レス) id: 373e34b3f9 (このIDを非表示/違反報告)
chi-(プロフ) - 涙目で霞みながら最後まで読みました。素晴らしかったです。ユンギもユンギっぽくてニヤけてしまった。グクのことを思うと辛いけどほんとに良いお話で読んで良かったです。ありがとうございました。 (2020年11月28日 19時) (レス) id: c1d012338f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：君色。
x他1人 | 作成日時：2020年8月13日 22時
