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片思い21 ページ21

「おい、どうなんだよ」


『……』




いきなりの登場と、その質問に私は言葉に詰まる。



_私にとって悟の隣は居心地の良いものでは、ない。
これが素直な思いである。


好きだからこそ意識をしてしまうから、心臓が持たないから、だから居心地が悪い。
それに何より彼の隣にいると、





「A!」





一葉が、思い出されてしまうから。




しかし、素直に言ったら悟は確実に機嫌を悪くする。
私の気持ちも、何もかもを知らないから。


もしかしたら「はー?お前は俺の事嫌いなのかよ!?」と誤った解釈をされてしまうかもしれない。



嫌われるのだけは、嫌だ。





『__勿論、居心地、いいよ』





私は無理矢理にも口角を上げ、笑みを見せた。不自然にならぬよう、ただいつものように。




「まっ、そーだよな!」




すると、悟は笑い返し、私の頭をぐしゃりと撫でる。



_その時の悟の浮かべる笑みは、私の見たかったものだった。


まさにあの子に向けられる、その笑顔。
心底嬉しそうな、こちらをも笑顔にする、私の大好きな笑みだった。



ドッドッと心臓が早鐘を鳴らす。体中に急速に血が巡り、熱帯びる。
未だに離れず触れる手に喜びを感じながら、顔を上げると、ニッと笑う悟と目が合い__





「おい、お前ら。私もいるんだぞ」




その時、フゥッと煙を吐き出した硝子の発言に私はハッと我に返る。それと同時に悟の手が頭から離れ、少しばかり寂しさを感じた。


早鐘を打っていた心臓も段々と落ち着いてゆく。




「そもそも五条は何で会話に割って入ってきたんだ。何か用か?」


「あー、今日傑の部屋でゲームすっから誘いに来てたんだよ」


「なるほどな」


「勿論お前らも来るだろ?ちゃんと菓子持って来いよ!俺先行ってっからな!」


『あっ、うん…』











__悟が去って行って少し経った廊下にて。硝子が私の肩にポンポンと触れた。





「よかったな」


『うん…』



放心状態の私は、未だに残る悟の手の感触に頬を再び熱くしながら、呆然と返事を返すのであった。

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AО777 - しろりんさん» 数字の振り間違いご指摘ありがとうございました。助かりました…! (1月16日 22時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - AО777さん» 20話が抜けてます。 (1月15日 17時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
AО777 - 琥珀さん» コメントありがとうございます!オチについてですが、現在未定といったところです。思い悩んでいるところですね。はっきりお答えできず申し訳ありません。そして、応援していただけているとのこと、とっても嬉しいです!励みになります…! (12月26日 10時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - コメント失礼します!答えにくい物でしたら濁して頂いて構いません🙇️質問なのですが、オチは五条さん、夏油さんどちらのご予定ですか…?作者様の書く世界観が大好きなので、どちらでもちゃんと追って読みます☺️これからも応援しています! (12月26日 8時) (レス) @page19 id: 2c6daaf2a5 (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - LuNaさん» うおぉぉ…そう言っていただけて死にそうです…(泣)性癖に刺さっていただけるとは…。コメントありがとうございます! (12月7日 5時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AO777 | 作成日時:2023年11月25日 21時

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